2023.09.07
  • 資産運用

【応用編】投資信託の選び方

投資信託協会の『投資信託の主要統計』(2023年7月)によると、2023年7月末現在の公募投資信託の本数は5979本とのことです。これだけ本数が多いと、投資信託を購入する際に全ての銘柄をチェックして好みのものを探し出すのは至難の技といえます。そこで投資信託を選定する際のポイントをいくつかお伝えします。

インデックスかアクティブか

インデックスかアクティブか

一般的に、インデックスファンドは手数料が安く値動きの幅が小さいのが特徴で、投資にあまり手間暇をかけたくない人や長期での資産形成を目指したい人におすすめです。


一方アクティブファンドは手数料が高く値動きの幅が大きいのが特徴で、世界の情勢や相場のチェックなどこまめな情報収集ができてタイミングを計れる人にとっては比較的短期間での利益確保が期待できます。



積み立てをする場合、長期間メンテナンスをしない前提ならインデックスファンド、ドルコストの効果を期待したいならアクティブファンドがおすすめです。

分配金の考え方

分配金の考え方

予想分配金提示型以外の分配金を支払うタイプの投資信託は、分配金を支払うことを優先しています。


利益が出ていれば利益から支払いますが、利益が出ていないときは元本を取り崩して分配金を支払います。


利益が出ていようがいまいが、分配金を支払ってしまうと投資している元金が減ることになるので投資効率が落ちることになりますが、これはファンドの運用が常に順調であることが前提です。


ずっと右肩上がりを想定するのなら分配金を出さずに運用を続けたほうが複利の効果があるのですが、不調のときは外に出して別なファンドで運用することで資産全体の投資効率を上げることが期待できる場合もあります。



一般的に分配金は支払わないほうが良いとされることが多いのですが、分配金を支払ってもなお成績が良好なファンドも存在します。


受け取る分配金の全てが利益と勘違いせず、評価額+受取済分配金の金額でリターンのチェックをすることが重要です。

手数料の考え方

手数料の考え方

「手数料は高いより安いほうがいい」、これは間違いありません。


ですがファンドを選ぶ上で一番重要なのは「利益が出るかどうか」です。


利益が出るのなら手数料はいくらでも構わないはずです。


極論ですが、手数料は安いけどあまり利益が出ないファンドより、手数料は高くてもたくさん利益が出るファンドのほうがいいわけです。


利益が同じなら手数料は安いほうがよく、手数料が安くて利益が出るファンドがよく、手数料が高くて利益が出ないファンドがダメなのは当たり前すぎるので割愛します。



ファンドを探す時は手数料の多寡よりも、投資方針や組入状況を精査することをおすすめします。

対象地域と資産

対象地域と資産

対象地域は広くするほど値動きが緩やかになる傾向があります。


長期での資産形成が目的ならファンドの名称に「全世界」「グローバル」「ワールド」などが入っているものがおすすめで、短期での利益確保が目的なら地域を絞るとよいでしょう。



対象資産は債券や資産複合が値動きが緩やかになる傾向があります。


あまり価額の変動を望まない場合は債券や資産複合、変動があっても構わない場合は株式や不動産投信がおすすめです。

為替ヘッジの考え方

為替ヘッジの考え方

為替ヘッジのヘッジ(hedge)とは「避ける」という意味です。


「ヘッジあり」はコストはかかるが為替変動の影響を回避しようとし、「ヘッジなし」はコストをかけず為替変動を受け入れます。



為替変動の影響を回避したいまたはこれから円高になると思う場合はヘッジあり、ヘッジのコストをかけたくないまたはこれから円安になると思う場合はヘッジなしを選ぶと良いでしょう。

結論

結論

上記は検討項目の一部にすぎず、二者択一で選んでいけば正解に辿り着けるわけではありません。ファンドを探すときに一番大切なのは自分の投資方針に合致するものの中で、今後利益が期待できるか、です。


吟味しようとするほど検討項目が多くなりますが個別株投資ほどではありませんし、信託報酬などのコスト負担もありますがメンテナンスに時間を割けない(割きたくない)人にとっては投資信託は十分魅力があります。 利益を期待するだけでなく、ファンドを選ぶ楽しさも醍醐味といえるのではないでしょうか。

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