無駄遣いは悪じゃない|お金を生かす“幸福支出”の考え方
節約は良いこと。無駄遣いは悪いこと。多くの人がそう思っているのではないでしょうか。
確かに、目的のない浪費が家計を圧迫するのは事実です。でも、“お金のすべての使い方”を「善か悪か」で判断してしまうと、本来あなたの心を支えてくれる「良い支出」まで削ってしまうことがあります。
お金には、“増やす力”と同じくらい大切な、“使う力”があるのです。
■ “無駄遣い”にも種類がある
■ “無駄遣い”にも種類がある
無駄遣いとは、本当に「意味のない支出」なのでしょうか。FPとして多くの家計を見ていると、実は“良い無駄遣い”と“悪い無駄遣い”があることに気づきます。たとえば私は次の3つの「支出」は、一見ムダのようで、実は人生の満足度を高める“幸福支出”であると考えます。
一時的に心を癒す「感情支出」
疲れた日に食べる少し贅沢なスイーツ、推し活のチケットなど。
これは明日への活力をくれます。
誰かとの関係を深める「つながり支出」
家族旅行や友人との食事など、人との時間を作るお金。
これは心の安定に直結します。
経験や学びを増やす「成長支出」
本やセミナー、新しいスキル習得の費用。
これは未来の自分を作る自己投資です。
これらは一時的に財布の中身を減らしても、心の充実・人間関係・未来の力を増やしてくれる支出。つまり、“お金の減少”ではなく“幸福支出”と言えます。
■ 無駄をゼロにすると、心がすり減る
■ 無駄をゼロにすると、心がすり減る
「節約して貯金すること」が目的化してしまう人は多いもの。将来に備えることは大切ですが、必要以上に我慢ばかりの生活は精神的なエネルギーを奪います。やがて反動で「ストレス買い」や「まとめて散財」が起きることも。極端な節約は、かえって家計のバランスを崩すリスクがあります。
人は感情でお金を使うこともあります。だからこそ、感情を満たす適度な支出をあらかじめ計画に入れておくことが、長期的な家計安定につながります。
■ 「幸福支出」の3ルール
■ 「幸福支出」の3ルール
“良い支出”と“悪い支出”の線引きは、次の3つを意識すると自然にできます。
支払う前に「これは誰のため?」を考える
自分の幸せか、誰かの笑顔か。目的を意識すると支出の質が変わります。
金額より“満足度”で判断する
安くても後悔する支出はNG。高くても納得感があるなら価値ある支出です。
使った後に「気持ちが前向きになったか」で振り返る
活力を生んだ支出は“幸福支出”です。
■ 幸福支出は、長期的には家計の味方
■ 幸福支出は、長期的には家計の味方
一見ムダに見える出費でも、精神的なゆとりをもたらす支出は結果的に家計を守ります。小さな幸福支出で心を満たしておけば、衝動買いや生活の乱れを防ぐ“心のクッション”になります。
お金を生かすとは、貯める・増やす・使うのバランスを取ること。どれか一つに偏ると、家計も心も疲れてしまいます。
満足度の高いお金の使い方については以下の記事もご参考ください。
【まとめ】お金は“使い方”で価値が決まる
【まとめ】お金は“使い方”で価値が決まる
お金は貯めるためだけにあるわけではありません。 “どう使うか”によって、その価値は何倍にも何分の一にも変わります。
本当に大切なのは、「減らない家計」ではなく、「満たされる家計」。 幸福支出は、心を豊かにするための必要経費であり、 未来への前向きなエネルギーを生む“もうひとつの投資”です。
お金の使い方に迷ったら「どんな使い方が自分を元気にするか」を考えてみてください。
そして―― お金を“気持ちよく使う”ためには、お金を“増やす力”も一緒に育てていく必要があります。
効率よく増やして、気持ちよく使うことで人生とお金の価値を高めましょう。
増やし方がよくわからない方は以下よりご相談ください。