教育資金の貯め方は何がいい?預金・学資保険・NISAを使う時期で分ける考え方
公 開 日:2023年3月9日
最終更新日:2026年8月5日
教育資金をどう準備すればよいかは、子育て世帯にとって大きなテーマです。
銀行預金で安全に貯めるべきか、学資保険で計画的に準備するべきか、NISAなどを使って運用も考えるべきか、迷う方も多いと思います。
結論から言うと、教育資金の貯め方は、ひとつに決める必要はありません。
大切なのは、「いつ使うお金なのか」で分けて考えることです。
数年以内に使うお金は、元本が大きく変動しにくい預金などで準備する方が安心です。
一方で、大学進学まで10年以上あるようなお金は、NISAなどを使って長期で資産形成を考える選択肢もあります。
学資保険は、強制的に積み立てやすい一方で、途中解約や返戻率、受取時期をよく確認する必要があります。
つまり、教育資金は「預金が正解」「学資保険が正解」「NISAが正解」と単純に決めるものではありません。
使う時期、家計の余裕、住宅ローン、老後資金、生活防衛資金とのバランスを見ながら、組み合わせて考えることが大切です。
この記事では、教育資金の貯め方として、預金・学資保険・NISAをどう使い分けるかをFPの視点から整理します。
この記事でわかること
この記事でわかること
- 教育資金を使う時期で分ける考え方
- 預金で準備するメリットと注意点
- 学資保険で準備するメリットと注意点
- NISAで教育資金を準備する場合の考え方
- 教育資金を全部NISAにしない方がよい理由
- 住宅ローンや老後資金とのバランス
- Mクリニックで相談できること
教育資金は「使う時期」で分けて考える
教育資金は「使う時期」で分けて考える
教育資金を準備するときに最初に考えたいのは、「どうやって貯めるか」ではありません。
まず確認したいのは、「いつ使うお金なのか」です。
近い時期に使うお金は安全性を重視する
数年以内に使う予定の教育資金は、元本が大きく変動しにくい方法で準備する方が安心です。
入学金、受験料、制服代、教材費、短期的な塾代など、使う時期が近いお金を運用に回しすぎると、必要な時期に値下がりした場合に困ってしまう可能性があります。
教育費は、使う時期が決まっているお金です。
近い時期に使うお金は、まず預金などで確保しましょう。
10年以上先なら運用も選択肢になる
子どもがまだ小さく、大学進学まで10年以上ある場合は、NISAなどを使った長期の資産形成も選択肢になります。
時間がある分、短期的な値下がりを受け止めながら、長期で増やすことを考えやすくなります。
ただし、教育費は使う時期が決まっています。
最初から最後まで同じリスクを取り続けるのではなく、使う時期が近づいたら安定性を高めることも考えましょう。
使う時期が近づいたら守る運用へ移す
教育資金をNISAなどで準備する場合でも、進学時期が近づいたら、少しずつ預金など安全性の高い資金に移すことを考えます。
たとえば、大学進学まで10年以上あるなら、前半はリターンを狙い、後半は減らさないことを重視するという考え方があります。
最初から安定重視にしすぎると、長期で見たリターンが小さくなりやすくなります。
一方で、最後までリスクを取り続けると、使う時期に元本割れしている可能性があります。
教育資金は、「増やす時期」と「守る時期」を分けることが大切です。
預金で準備する教育資金
預金で準備する教育資金
預金は、教育資金を準備するうえで基本になる方法です。
大きく増やす力は強くありませんが、必要な時期に使いやすいという安心感があります。
預金のメリット
- 元本が大きく変動しにくい
- 必要なときに引き出しやすい
- 入学金や受験費用など、使う時期が近いお金に向いている
- 家計管理しやすい
教育資金のうち、近い時期に使うお金は預金で確保しておくと安心です。
預金の注意点
預金は安全性が高い一方で、お金を増やす力は強くありません。
長期間預けても、物価上昇に十分対応できないことがあります。
特に、大学進学まで10年以上あるような教育資金は、すべてを預金だけで準備すると、増やす機会を逃す可能性があります。
預金は短期資金と生活防衛資金に向いている
預金は、すぐ使う教育費や生活防衛資金に向いています。
教育費を運用で準備する場合でも、すべてを投資に回すのではなく、預金で残す部分を決めておきましょう。
「必要な時期に使えるお金」を確保しておくことが、教育資金準備の土台になります。
学資保険で準備する教育資金
学資保険で準備する教育資金
学資保険は、教育資金を確実に準備する方法のひとつです。
保険料として毎月支払うため、強制的に積み立てやすいという特徴があります。
学資保険のメリット
- 毎月自動的に教育資金を積み立てやすい
- 契約者に万一のことがあった場合に保険料払込免除などの保障がある商品もある
- 受け取り時期を進学時期に合わせやすい
- 貯蓄が苦手な家庭でも続けやすい
学資保険は、教育費を計画的に準備したい家庭に合う場合があります。
返戻率だけで判断しない
学資保険では、返戻率がよく話題になります。
返戻率とは、支払った保険料に対して、将来どのくらい受け取れるかを示す割合です。
返戻率が100%を超えていれば、支払った保険料より多く受け取れることになります。
ただし、学資保険は返戻率だけで判断しない方がよいでしょう。
契約者に万が一のことがあった場合の保障、子どものけがや病気に対する保障などが付いている場合もありますので、返戻率が100%を下回っていても検討の余地があります。
保険料の負担、受取時期、保障内容、途中解約時の返戻金、家計の柔軟性も確認する必要があります。
途中解約のリスクに注意する
学資保険は、途中で解約すると元本割れする場合があります。
住宅ローン、教育費、生活費、収入減少などで家計が苦しくなったときに、保険料の支払いを続けられるかも確認しておきましょう。
学資保険は、計画的に貯めやすい一方で、預金のように自由に出し入れできるものではありません。
家計に無理のない保険料で続けられるかが大切です。
NISAで準備する教育資金
NISAで準備する教育資金
教育資金をNISAで準備する考え方もあります。
特に、使うまでに10年以上あるお金については、長期で資産形成を考えやすくなります。
NISAは長期資金に向いている
NISAは、長期で資産形成を考えるときに活用しやすい制度です。
教育費を使うまでに時間がある場合、積立投資によって将来資金を準備する選択肢になります。
ただし、投資には価格変動があります。
必要な時期に必ず増えているとは限らないため、教育費をすべてNISAだけで準備するのは避けた方がよいでしょう。
前半は増やす、後半は守る
教育資金をNISAで準備する場合は、使うまでの年数を意識することが大切です。
たとえば、大学進学まで10年以上ある場合、前半はある程度リターンを狙い、後半は少しずつ安定性を高める考え方があります。
使う時期が近づいてきたら、値動きの大きい商品から預金などへ移すことも検討しましょう。
積立額は途中で変えてもよい
NISAの積立額は、一度決めたらずっと変えられないものではありません。
家計に余裕があるときは多めに、教育費や住宅費が重なる時期は減額や中断もできます。
教育資金準備では、無理なく続けられることが大切です。
できるときに頑張り、苦しいときは調整するという柔軟な考え方で続けていきましょう。
教育資金を全部NISAにしない方がよい理由
教育資金を全部NISAにしない方がよい理由
NISAは教育資金準備の選択肢になりますが、すべてをNISAにするのは慎重に考えたいところです。
教育費は、使う時期が決まっているお金だからです。
必要な時期に元本割れしている可能性がある
投資は、長期で見ると増える可能性がありますが、途中では値下がりすることもあります。
大学入学金や受験費用が必要な時期に、投資資産が大きく下がっている可能性もあります。
そのため、使う時期が近い教育費は、預金などで確保しておくことが大切です。
教育費は待ってくれない
老後資金であれば、相場が悪い時期に使う金額を調整できる場合もあります。
しかし、教育費は入学時期や受験時期が決まっています。
必要な時期に必要な金額を用意できることが重要です。
預金・学資保険・NISAを組み合わせる
教育資金は、ひとつの方法だけで準備する必要はありません。
- 近い時期に使うお金は預金
- 確実に確保したいお金は学資保険
- 10年以上先の一部資金はNISA
このように、使う時期と目的で分けると、教育資金を準備しやすくなります。
教育資金と住宅ローン・老後資金のバランス
教育資金と住宅ローン・老後資金のバランス
教育資金を貯めることは大切ですが、教育費だけを見て判断しないことも重要です。
住宅ローンや老後資金とのバランスも確認しましょう。
住宅ローン返済中に教育費が増えることがある
子育て世帯では、住宅ローン返済中に教育費が増える時期があります。
子どもが小さい時期に住宅を購入すると、住宅ローン返済が続く中で、塾、受験、大学費用が重なることがあります。
住宅購入を考えるときは、教育費の積み立てが続けられるかも確認しましょう。
老後資金を後回しにしすぎない
教育費を優先しすぎると、親自身の老後資金が不足することがあります。
子どものために教育費を準備することは大切ですが、親の老後資金が不足すると、将来、子どもに別の負担をかける可能性もあります。
教育費と老後資金は、どちらか一方ではなく、同時に考えることが大切です。
iDeCoは子育て世帯では慎重に考える
老後資金づくりとしてiDeCoを検討する方もいます。
iDeCoには税制面の優遇がありますが、原則として老後まで引き出すことができない制度です。
子育て世帯では、教育費、住宅修繕費、収入減少、親の介護など、老後前に必要になるお金も多くあります。
税制優遇だけで判断せず、必要なときに使えるお金と、老後まで使わないお金を分けて考えましょう。
教育資金の貯め方を決めるチェックリスト
教育資金の貯め方を決めるチェックリスト
教育資金の貯め方を決める前に、次の項目を確認しておきましょう。
- 教育費を使う時期はいつか
- 数年以内に必要なお金はいくらか
- 10年以上先に使うお金はいくらか
- 預金で確保しておく金額はいくらか
- 学資保険の保険料を無理なく払えるか
- 学資保険の返戻率や受取時期を確認しているか
- NISAで運用する場合、使う時期に合わせてリスクを下げる予定があるか
- 住宅ローン返済と教育費積立を両立できるか
- 老後資金の準備を止めすぎていないか
- 生活防衛資金を残せているか
教育資金は、金額だけでなく、使う時期と家計全体のバランスで考えることが大切です。
Mクリニックで相談できること
Mクリニックで相談できること
Mクリニックは、札幌を拠点に、家計管理・教育費・住宅ローン・老後資金・資産形成・保険など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。
単独の商品提案ではなく、家計全体と将来設計を見ながら、無理のない選択肢を一緒に整理します。
教育資金についても、預金、学資保険、NISAのどれか一つを選ぶのではなく、使う時期や家計の状況に合わせた組み合わせを確認します。
- 教育資金の必要時期と準備額の整理
- 預金・学資保険・NISAの使い分け確認
- 教育費と住宅ローン返済のバランス確認
- 教育費と老後資金の優先順位整理
- NISAで教育資金を準備する場合のリスク確認
- iDeCoを含めた老後資金準備とのバランス確認
- 家計全体から見た無理のない積立額の整理
教育資金は、子どもの将来に関わる大切なお金です。
だからこそ、教育費だけを切り離さず、住宅ローン、老後資金、生活防衛資金と一緒に考えることが大切です。
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まとめ
まとめ
教育資金の貯め方は、預金、学資保険、NISAのどれか一つに決める必要はありません。
大切なのは、使う時期で分けて考えることです。
- 数年以内に使う教育費は預金で確保する
- 計画的に積み立てたい部分は学資保険も選択肢になる
- 10年以上先に使うお金はNISAも検討できる
- NISAで準備する場合は、使う時期が近づいたら安定性を高める
- 教育資金を全部NISAにしない
- 学資保険は返戻率だけで判断しない
- 教育費と住宅ローン・老後資金を切り離して考えない
教育資金は、子どものために大切なお金です。
同時に、親の老後資金や家計全体の安定も欠かせません。
預金、学資保険、NISAを目的別に使い分けながら、無理なく続けられる教育資金の準備を考えていきましょう。
2023年3月9日 執筆
2025年4月23日 更新
2026年8月5日 更新
