【入門編】堅実なお金の増やし方
子どもの教育費や老後の生活費を貯めるために、少しずつ銀行口座にお金を貯めている人も多いのではないでしょうか。しかし最近は物価が年々上昇し、あらゆる支出の負担が大きくなったわりに得られる利息は微々たるもので、なかなか思うようにお金が貯まらないという声をよく聞きます。 資産を増やすためには収入を増やすか支出を減らすかですが、人が働ける時間も節約できる金額も限界があります。そのため「貯蓄」の他に「投資」の選択肢も追加していただきたいのです。今回は「投資に興味はあるけれど元本割れが怖い」という人のために失敗しにくい堅実なお金の増やし方について解説いたします。
「貯まる」と「増える」は意味が違う
「貯まる」と「増える」は意味が違う
私は会社員時代に当時の上司からお金を貯める秘訣は「日掛け、月掛け、心掛け」だと教わりました。毎日少しでもいいからお金をよけ、それを月に一回銀行口座に入れるように心がけることでお金が貯まるということです。預金金利が高いときは、残高が増えればそれに合わせて利息も増えました。特別意識をしなくても、残高を増やすことが結果的にお金を増やすことに繋がっていたのです。
しかし預金金利が低い今は、例えお金が貯まっても利息でお金が増えることはほとんど期待できません。お金を増やしたい場合は、預金に置いておくのではなく、運用して利益を得る必要があります。
堅実なお金の増やし方のポイント1/種銭を作る
堅実なお金の増やし方のポイント1/種銭を作る
まずは投資をするための種銭(元手のお金)を作りましょう。金額はいくらでも構いません。最近ではワンコインで投資をすることもできます。大切なのは種銭を生活費と切り離すことです。
最初から大きく利益を出そうと全財産を一気に投資したり、投資をするために借金をして身の丈以上の資金を注ぎ込んでしまうと失敗したときのダメージが大きくなります。投資はそのお金が万が一なくなってしまっても生活に影響が出ない範囲の金額、余裕資金の中で行うようにしましょう。
堅実なお金の増やし方のポイント2/理解できないものに投資しない
堅実なお金の増やし方のポイント2/理解できないものに投資しない
投資を始めるにあたり、いきなりプロと肩を並べるほど知識を得る必要はありません。ですが自分の大事な資金を投じようとしているものがどのようなものか理解できる程度の知識は必要です。
理解できない商品には手を出さず、理解できたら少額から始めてみる。そして少し利益が出たらもう少し利益を出すためにさらに勉強をして別な商品を購入してみる、ということを繰り返しながらステップアップしていくのがよいでしょう。
堅実なお金の増やし方のポイント3/なるべく早く始める
堅実なお金の増やし方のポイント3/なるべく早く始める
投資をするために、必ずしもまとまったお金は必要ありません。月々1,000円の積み立てからでもいいので今すぐに始めることをおすすめします。
例えば今すぐ利率0%で1,000円積み立てを始めたAさんは、5年後には残高が60,000円になっています。どうしようか迷って1年後から積み立てをスタートしたBさんが毎月1,000円の積み立てで残り4年でAさんに追いつくためには利率11.1%での運用が必要になります(いずれも税金は考慮せず1年複利で試算)。
目標金額が同じ場合、少しでも早く始めることでリスクの低い運用での達成が可能になります。
堅実なお金の増やし方のポイント4/大きな利益は狙わない
堅実なお金の増やし方のポイント4/大きな利益は狙わない
利率の高い商品や銘柄に投資をすると元本割れのリスクも高くなります。資産がすぐに倍になることを期待して投資するなら、逆にあっという間に半分になってもおかしくないと思いましょう。無難に3%の利益を期待したとしても3%の損失が出る覚悟は必要です。
投資をする以上、全くマイナスにならないという可能性は低いものの、なるべくマイナスになるのを避けたい場合はその分大きな利益も狙わないことです。
コツコツ貯金ができるなら堅実な投資家になれる素質あり
コツコツ貯金ができるなら堅実な投資家になれる素質あり
コツコツ貯金ができる人は、我慢強く地道に努力ができる人が多い印象です。この我慢強さと地道な努力は投資をする上でも重要なスキルといえます。多少の下落で狼狽売りをしてしまったり、情報収集をする努力をすることができない人が投資で成功するのは難しいものです。
下落を我慢するのが必ずしも正しいとは言えませんが、上がり下がりがある中で時にはじっと待つことも必要です。よりよい投資先を探し続ける努力も必要です。
堅実な投資家とは無理せず予算を組んで投資をし、リスクとリターンを把握して多少の上昇や下落に見向きをせず、情報収集を怠らない人のことを指すと私は考えます。コツコツ貯金ができる人は、堅実な投資家になれる要素をすでに持ち合わせているといえるでしょう。
楽をして儲けたいとか、短期間で大きな利益を狙いたいなど、投資は欲を出すから失敗しやすいだけで、適切に行えば少額の利益を出すことはさほど難しいことではありません。あまり欲を出さず、無理なく行えば物価の上昇分くらいの利益は十分期待できます。
投資に関する大きな失敗談の衝撃が大きいためか、日本はまだ「投資=ギャンブル」という印象を持っている人が少なくないようです。しかしこうした結果になってしまったのは投資をしたことが悪いのではなく、投資の仕方が悪かっただけというケースが多いでしょう。コツコツと貯金ができる人なら、大きなリターンを狙わずに堅実にお金を増やしていける慎重さも持ち合わせているはずなので「なんとなく怖いから投資はしない」というのは非常にもったいないです。
投資に関する基本的なことはインターネットでも学ぶことができますし、損切りや利益確定のタイミングに迷うようなら信用できるプロやAIに任せるという手もあります。食わず嫌いをするのではなく少額からでも投資にチャレンジをして、最低でも物価の上昇率程度の利益は出していきたいものです。