2022.11.25
  • 住まい

住宅ローンは長期返済が得?返済期間で変わる家計負担と注意点を徹底解説

マイホーム購入にあたり、多くの方が利用する住宅ローン。借り入れ期間は、10年程度から35年程度まで選べますが、「できるだけ早く返済した方が良いのでは?」と考える人も少なくありません。 しかし実際には、あえて返済期間を長く設定することで得られるメリットも多くあります。この記事では、住宅ローンを長く借りることで得られるメリットとデメリットを分かりやすく整理し、シミュレーションを交えて紹介します。

長期ローンの3つのメリット

長期ローンの3つのメリット

住宅ローンを長く借りるというと、「返済総額が増える」「利息が多くなる」というイメージを持つ方も多いでしょう。確かに金利の負担は増えますが、それを上回る形で家計に“余裕”が生まれる点が見逃せません。


月々の返済額が抑えられる

例えば、4000万円を借りる場合、20年返済だと月々約19万円の返済が必要ですが、35年返済にすると約12万円にまで下がります。 この月7万円の差が、日々の生活や将来のライフプランに大きな影響を与えます。子どもの教育費や老後資金、万一の医療費に備える“ゆとり”が生まれるのです。


資産形成の余力ができる

返済額が軽くなることで、浮いた資金を貯蓄や資産運用に回すことが可能です。35年ローンで浮いた月7万円(年間約84万円)を20年間運用すれば、1900万円超の資産を築ける可能性も期待できます。


団体信用生命保険の恩恵を長く受けられる

団体信用生命保険(団信)は、契約者が死亡・高度障害になった場合、ローン残高がゼロになります。 長期ローンにすれば、それだけ長期間この保障を受けられます。家族に経済的負担を残さないという意味でも安心です。

住宅ローンを長期で借りるデメリット

住宅ローンを長期で借りるデメリット

もちろん、長期ローンには注意点もあります。


総返済額が増える(支払利息が大きい)

返済期間が長くなると、その分金利がかかり、トータルの支払い額は増えます。たとえば先ほどのシミュレーションでは、20年ローンより35年ローンのほうが利息だけで約512万円多く支払うことになります。


長く返済を続けるプレッシャー

35年ローンの場合、完済時の年齢が60代後半〜70代になるケースもあります。退職後も返済が続くリスクがあるため、将来の収入見込みや退職金、年金などの見通しを持つことが重要です。


金利上昇リスク(変動金利の場合)

変動金利で契約していると、将来金利が上昇した際に返済額が増える可能性があります。長期になればなるほどこのリスクは大きくなります。

【まとめ】あなたに合った“最適な資金計画”を見極めよう

【まとめ】あなたに合った“最適な資金計画”を見極めよう

住宅ローンは「短く返せば正解」という単純なものではありません。ライフプラン、家計の状況、将来の見通しを総合的に見て判断する必要があります。


  •  教育資金や老後資金の準備が必要な人 → 長期ローンで余力を確保
  •  収入が安定していて、早く完済したい人 → 短期ローンも選択肢

また、「長期で借りて、運用資産で繰上返済をする」という戦略も有効です。

住宅ローンは完済することが一番の目標ですが、長い人生何があるかわかりませんので、将来の選択肢を多く確保する資金計画がおすすめです



2022年11月25日 執筆

2025年4月23日 更新

この記事を書いた人

小川 和哉 | ファイナンシャルプランナー

資産運用、保険、住宅ローンなど幅広い分野に精通し、個人の家計相談に加え、個人事業主や副業を行う方への記帳指導・経理支援にも力を入れており、実務に直結する実践的なアドバイスを提供。ライフスタイルに応じたオーダーメイド設計と、将来を見据えた長期的なサポートを重視し、目先の利益にとらわれない提案が好評。
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