2022.11.25
  • 住まい

【基礎編】なぜ住宅ローンを長く借りるのがお勧めなのか?

マイホームを取得する際、住宅ローンを利用する人は多いと思います。しかしローンさえ通れば夢のマイホームが手に入る!と考えている人がいたらそれはとても危険です。住宅ローンは借りることがゴールではなく、完済して初めてゴールになります。資金計画を工夫していかに住宅ローンを借りるかではなく、確実に完済することを目的とした資金計画を立てることを強くお勧めします。

手持ち資金は余裕を持たせたい

手持ち資金は余裕を持たせたい

住宅ローンは一般的に20年や30年など、長い期間をかけて返済していくものです。

その長い返済期間中、いつ、何が起こるかわかりません。

手持ち資金に余裕を持たせておかないと、想定外のことが起こってしまった場合に対応できなくなってしまいます。

完済まで何事もなく無事経過するだろうなどという甘い考えだと、万が一何か起こってしまったら途端に返済不能になってしまう恐れがあります。


手持ち資金に余裕を持たせる方法の一つに、返済期間を長くする方法があります。

同じ金額を借りたとしても、返済期間が長いほうが月々の返済金額が少なくなります。

その代わり返済する利息の総額が多くなってしまうデメリットもありますが、住宅ローンを借りる際に一番重視したいのは確実な完済です。


毎月の返済に余裕が出たら繰上返済をするのではなく、余裕がある分を積み立てするなどして貯めておくようにしましょう。

繰上返済を頑張って多少利息が減ったとしても、想定外の事態が発生してローンが払えなくなり、大切なマイホームを手放してしまっては元も子もありません。

返済期間中は子育てや親の介護と重なることが多く、想定外の支出にも耐えられるよう手持ち資金を確保しておくことが大切です。

また会社の倒産やリストラ、怪我や病気で働けなくなって収入が減ってしまった場合でも、返済額に余裕を持たせたり、手持ち資金を確保しておくことでローンの返済を維持することが期待できます。


せっかく手に入れたマイホームを手放してしまうようなことがないよう、余裕を持った返済、完済を意識した資金計画を立てることが重要です。

長く借りても損をしない具体的な方法

長く借りても損をしない具体的な方法

全ての条件が同じAさんとBさんがいたとします。

40歳のときに全期間固定金利1.5%3000万円のローンをAさんは20年、Bさんは35年で組んだとします。

Aさんの月々の返済金額は約14.5万円で返済総額が約3475万円、Bさんの月々の返済金額は約9.2万円で返済総額は約3858万円となります。

Bさんは毎月の負担が約5.3万円少なくなる代わりに返済総額が約383万円多くなります。


ここでBさんが毎月5.3円を35年間年率0.9%で積み立てをした場合、元金約2226万円が約2616万円となり、約390万円の利益(税別)となります。

0.9%で積み立てすることができれば、返済総額は返済期間を短くした場合とほぼ同じになります。


もし返済期間中に不測の事態が発生しても、Bさんは毎月の積立金額を調整することでマイホームを維持しながら支出に耐えることができます。

生命保険の代わりにもなる

生命保険の代わりにもなる

住宅ローンを借りるときに団体信用生命保険に加入していれば、契約者が死亡した場合に残りの支払いが免除になります。

高齢になるほど若い時よりも死亡する確率が高くなるので、支払いが免除になる可能性も高くなります。


例えば全ての条件が同じCさんとDさんがいたとします。

40歳のときに35年全期間固定金利1.5%3000万円のローンを組み、65歳で退職するときの退職金が1000万円でその時の残債も1000万円だっとします。

Cさんは退職金を全て使ってローンを完済し利息が79万円軽減され、Dさんは退職金はそのままで返済を継続したとします。

2年後二人とも死亡した場合、Cさんの遺族にはローンの残債も退職金もないのに対し、Dさんの遺族にはローンの残債は団体信用生命保険で0になり、さらに退職金が残っています。



計算上は短い期間で完済したほうが返済総額が少なくなります。

しかし、あえて期間を長くして完済することが必ずしもデメリットになるとは限りません。毎月の負担を減らして積み立てをしておいたおかげでいつでもまとまったお金を使うことができるようになりますし、死亡の場合も遺族にお金を残すことができます。

浮いたお金を運用すれば、軽減されるはずだった利息分以上の利益を期待することも可能です。

住宅ローンは長い期間返済を続けるものなので、不測の事態を想定した資金計画を立てることがお勧めです。

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