自動車保険のロードサービスはどこまで使える?トラブル別の活用方法と注意点
公開日:2025年4月29日
更新日:2026年10月21日
自動車保険に付帯しているロードサービス。
事故で車が動かなくなったときだけでなく、バッテリー上がりやパンク、燃料切れなど、意外と身近なトラブルにも利用できます。
しかし、ロードサービスはどこの保険会社でも同じというわけではありません。
同じ故障でも、現場で対応してもらえる場合と、レッカー搬送になる場合があります。
遠方で故障したときには、帰宅費用や宿泊費まで補償される契約もあります。
また、ロードサービスを利用する順番や依頼方法を間違えると、本来無料だったはずの作業に費用が発生することもあります。
今回は、具体的なトラブルを例に、自動車保険のロードサービスを上手に使う方法と、契約による違いを解説します。
この記事でわかること
この記事でわかること
- 自動車保険のロードサービスを利用できる場面
- トラブルが起きたときの適切な対処法
- 契約によって異なる無料範囲・利用条件
- レッカー搬送や応急処置を依頼する際の注意点
ロードサービスでできること・できないこと
ロードサービスでできること・できないこと
ロードサービスの基本的な役割は、車が走行できなくなったときに現場で応急処置を行い、必要に応じて修理工場などへ搬送することです。
主に次のようなトラブルに対応しています。
- バッテリー上がり
- タイヤのパンク
- キー閉じ込み
- ガソリン・軽油の燃料切れ
- 事故や故障による走行不能
- 落輪や脱輪
- その他、現場で対応可能な軽作業
ただし、ロードサービスは車の修理費用を補償するものではありません。
例えばバッテリー上がりでエンジンを始動してもらえても、新品バッテリーの代金まで無料になるとは限りません。
故障した車を修理工場へ運んでもらえても、その後の修理代金は原則として自己負担です。
応急処置・車両搬送・本格的な修理は、それぞれ別のものと考えておきましょう。
事例① 自宅で突然エンジンがかからなくなった
事例① 自宅で突然エンジンがかからなくなった
朝、車を動かそうとするとエンジンがかかりません。
ライトの消し忘れなどによるバッテリー上がりであれば、ロードサービスで応急始動してもらえる場合があります。
ここで確認したいのは、自宅でも利用できるかどうかと、利用回数の制限です。
保険会社によって、バッテリー上がりの応急始動を回数無制限で利用できる契約もあれば、保険期間中に回数制限がある契約もあります。
こういうときはどうする?
まず、契約中の保険会社に連絡して応急始動を依頼しましょう。
エンジンがかかっても、バッテリーの劣化や発電機の故障が疑われる場合は、整備工場で点検することが大切です。
何度もバッテリーが上がるなら、ロードサービスを繰り返し利用するよりも、原因を修理する必要があります。
新品バッテリーの費用が自己負担になることも確認しておきましょう。
事例② タイヤがパンクしたが、スペアタイヤがない
事例② タイヤがパンクしたが、スペアタイヤがない
走行中にタイヤがパンクしてしまいました。
スペアタイヤがあれば、自分で交換したり、ロードサービスで交換作業をしてもらえることが一般的です。
しかし、最近の車にはスペアタイヤが搭載されておらず、応急修理キットだけが備えられている場合があります。
このようなケースでは、保険会社によって対応が変わります。
スペアタイヤへの交換は対象でも、パンクそのものの応急修理は対象外という契約があります。
一方、一定の条件で応急修理キットによる作業まで対応する契約もあります。
同じパンクでも、契約内容やタイヤの状態によって、現場で走行可能になるか、レッカー搬送が必要になるかが変わるのです。
こういうときはどうする?
保険会社へ連絡する際に、スペアタイヤの有無と、どの部分がパンクしたのかを伝えましょう。
応急修理ができる契約でも、タイヤの側面が損傷していたり、大きく破れていたりすると修理できないことがあります。
現場で対応できない場合は、タイヤ販売店や修理工場へのレッカー搬送を相談してください。
パンクしたまま無理に走ると、タイヤだけでなくホイールまで損傷する可能性があります。
事例③ 燃料切れで車が止まってしまった
事例③ 燃料切れで車が止まってしまった
ガソリンや軽油がなくなり、車が動かなくなった場合も、ロードサービスを利用できる可能性があります。
ただし、燃料切れへの対応は保険会社によって異なります。
例えば、燃料を一定量まで無料で届けてもらえる契約もあれば、配達作業は無料でも燃料代が自己負担になる契約もあります。
保険期間中の利用回数が制限されている場合があったり、自宅駐車場での燃料切れは、外出先と同じ扱いにならない場合もあります。
こういうときはどうする?
まず安全な場所に停車し、保険会社へ現在地を伝えます。
救援を依頼するときは、燃料の種類、無料で補給してもらえる量、燃料代の負担、利用回数制限を確認しましょう。
なお、電気自動車の充電切れでは、現場給電や充電設備までの搬送など、別の対応になる場合があります。
事例④ 雪道でスタックして動けなくなった
事例④ 雪道でスタックして動けなくなった
雪の多い地域では、雪道でタイヤが空転して動けなくなることもあります。
ところが、ロードサービスでは、故障によって走行できない場合と、雪で動けない場合を区別することがあります。
雪道でのスタックを原則対象外としている保険会社もあれば、冬用タイヤの装着や除雪の実施など、一定の条件を満たした場合に救援対象となる保険会社もあります。
また、単に雪にはまった場合と、道路の溝へ落輪した場合では、サービスの対象となるかどうかが変わることもあります。
こういうときはどうする?
自力で脱出できないときは、車を無理に動かさず安全を確保します。
ロードサービスへ連絡する際には、車が故障しているのか、雪でタイヤが空転しているのか、落輪しているのかなどを正確に伝えましょう。
契約しているサービスで対応できない場合には、別の救援業者やJAFなどを利用する方法もあります。
ただし、別の業者へ依頼した費用まで、自動車保険で補償されるとは限りません。
また、雪でマフラーの排気口がふさがると、一酸化炭素中毒の危険があります。
救援を待つ間も安全確保を優先してください。
レッカー搬送は、どこまで無料で運んでもらえる?
レッカー搬送は、どこまで無料で運んでもらえる?
事故や故障で車が走行できなくなった場合、ロードサービスで修理工場などへ搬送できます。
ここで確認したいのが、無料で搬送できる範囲です。
契約によって、次のような違いがあります。
| 搬送条件 | サービス内容の違い |
|---|---|
| 保険会社が指定する修理工場へ搬送 | 距離制限なしで対応する契約がある |
| 自分が希望する修理工場へ搬送 | 距離や金額に上限が設けられる場合がある |
| 保険会社が事前承認した搬送 | 通常の費用上限が適用されない契約がある |
| 自分でレッカー業者を手配 | 無料サービスの対象外、または費用の一部のみ補償となる場合がある |
| 別の修理工場へ再搬送 | 2回目の搬送は対象外となる場合がある |
※契約によっては、搬送費用と応急処置費用を合算して上限を設定している場合もあります。
こういうときはどうする?
例えば、旅行先で故障して、150km離れた自宅近くの修理工場へ運びたいとします。
保険会社によっては希望先までの搬送が無料範囲に収まらない場合もあります。
一方、所定の条件で保険会社が承認すれば、長距離の搬送にも対応できる場合があります。
ここで重要なのは、最初の搬送先を安易に決めないことです。
とりあえず近くの修理工場へ運んでもらったものの、そこでは修理できず、別の工場へ再搬送することになった場合、2回目まで無料になるとは限りません。
レッカーを依頼するときは、希望する修理工場の受入可否を確認し、保険会社へ搬送先と費用を相談してから手配しましょう。
遠方で故障したときは、宿泊費や帰宅費用も確認する
遠方で故障したときは、宿泊費や帰宅費用も確認する
旅行先で車が故障し、修理工場へ搬送してもらえたとします。
しかし、一般的にはその日のうちには修理できません。
家族で遠出していた場合、車を運んでもらうだけでは問題が解決しません。
帰宅するための交通費や宿泊費用が必要になるからです。
これらについても、保険会社によって大きな違いがあります。
| 項目 | サービス内容の違い |
|---|---|
| 帰宅・移動費用 | 1人あたり、または1事故あたりの金額上限がある場合や、所定の実費を補償する場合がある |
| 宿泊費用 | 対象外、1人あたり上限付き、所定の宿泊費を実費補償などの違いがある |
| レンタカー | 別の特約や利用条件が必要な場合がある |
| 修理後の車の引き取り | 引き取りのための交通費や車両搬送を補償する契約がある |
例えば、家族4人で旅行先に取り残され、1人1万円の宿泊費が必要になれば、合計4万円になります。
これが契約によって自己負担となるのか、補償されるのかは大きな違いです。
また、交通費を補償する契約でも、自由にレンタカーやタクシーを手配してよいとは限りません。
こういうときはどうする?
レッカーを手配する際、車だけでなく、運転者や同乗者の移動方法も同時に相談しましょう。
保険会社に、帰宅費用、宿泊費用、レンタカー費用、それぞれの条件と必要な手続きを確認します。
費用を自分で立て替える場合には、領収書の保存も忘れないようにしましょう。
ロードサービスを利用する前に知っておきたい注意事項
ロードサービスを利用する前に知っておきたい注意事項
① 救援業者を自分で手配する前に保険会社へ連絡する
ロードサービスを利用する際、最も重要なのが連絡の順番です。
保険会社に事前連絡せず、自分で救援業者を呼んでしまうと、本来利用できた無料サービスが使えなくなることがあります。
また、インターネットで見つけた救援業者に依頼し、高額な費用を請求されるトラブルも発生しています。
安全を確保したら、まず自動車保険のロードサービス専用窓口へ連絡することを基本にしましょう。
② 無料の応急作業と、自己負担になる費用を区別する
ロードサービスが無料でも、すべての費用が無料になるわけではありません。
一般的に、次のような費用は自己負担となる場合があります。
- 新品バッテリーやタイヤなどの部品代
- 故障した部分の修理代
- 無料範囲を超えるレッカー搬送費
- 長時間の作業や特殊な救援作業
- 一定時間を超える車両保管料
作業を始める前に、無料でできる範囲と追加費用を確認しておきましょう。
③ ロードサービスだけの利用なら、保険等級は原則下がらない
ロードサービスを利用すると自動車保険の等級が下がると思っている方もいますが、通常、ロードサービスだけを利用しても翌年の等級には影響しません。
ただし、事故によって車両保険金などを請求した場合は別です。
ロードサービスによる救援と、事故の損害に対する保険金請求は分けて考えましょう。
④ 高速道路では救援依頼より安全確保を優先する
高速道路で事故や故障が発生した場合は、二次事故を防ぐことが最優先です。
後続車に停止を知らせ、安全にできる範囲で停止表示器材を設置し、運転者・同乗者ともにガードレールの外などへ避難します。
その後、非常電話や道路緊急ダイヤル「#9910」などで通報し、保険会社へ救援を依頼しましょう。
事故の場合は警察への通報も必要です。
ロードサービスの内容は、契約時にも確認しておこう
ロードサービスの内容は、契約時にも確認しておこう
ロードサービスは、保険会社によって内容が違うだけでなく、同じ保険会社でも商品や契約時期によって条件が異なる場合があります。
また、車両保険の有無とは別にロードサービスを利用できる商品も多くあります。
そのため、現在加入している自動車保険について、レッカー搬送、バッテリー上がり、パンク、燃料切れ、雪道のスタック、帰宅・宿泊費用の条件を一度確認しておくとよいでしょう。
JAFなどを利用している方は、保険会社との提携によってサービスが拡大する場合もあります。
重複しているサービスと、追加で利用できるサービスを確認しておくことが大切です。
Mクリニックで相談できること
Mクリニックで相談できること
Mクリニックは札幌を拠点に、家計、保険、住宅ローン、教育費、老後資金、資産運用など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。
自動車保険も、保険料や事故の補償内容だけでなく、実際にトラブルが起きたときに受けられるサービスまで確認しておくことが重要です。
現在の契約で十分な場合には、無理に追加する必要はありません。
普段の運転環境や車の使い方を踏まえ、必要な備えを整理するお手伝いをしています。
まとめ|ロードサービスは内容と使い方を知ってこそ役立つ
まとめ|ロードサービスは内容と使い方を知ってこそ役立つ
自動車保険のロードサービスは、事故や故障によるレッカー搬送だけでなく、バッテリー上がり、パンク、燃料切れなど、さまざまな場面で利用できます。
一方、契約によって、利用回数、無料で対応できる範囲、レッカーの搬送距離、帰宅・宿泊費用などに違いがあります。
同じトラブルでも、契約内容や救援の依頼方法によって、結果が変わることがあるのです。
最も大切なのは、トラブルが起きたときに慌てて業者を探すのではなく、まず安全を確保し、契約している保険会社へ連絡すること。
そして、何をしてもらえるのか、どこまで無料なのか、修理や帰宅はどうするのかを確認してから依頼することです。
ロードサービスの連絡先をスマートフォンに登録し、家族とも共有しておくと、いざというときに役立ちます。
執筆日:2025年4月29日
更新日:2026年10月21日
