2025.05.03
  • ライフプラン

結婚・出産を控えたら知っておきたい!札幌の支援制度と冬にも強い家計づくり

結婚、そして出産。

札幌で家族を築いていくと決めたとき、気になるのが「子育てにかかるお金」と「札幌市からの支援制度」ですよね。


たとえば出産費用やベビー用品、保育料にくわえて、札幌の冬の生活費(暖房・灯油など)も、子育て世代にとってはリアルな出費。ですが一方で、妊婦健診の助成や中学生までの医療費無料、保育料の軽減制度など、札幌市ならではの手厚いサポートが用意されています。


とはいえ、制度をうまく活用しながらも、住宅購入や教育資金など将来に向けた備えは必要不可欠。 このコラムでは、札幌で結婚・出産・育児を迎える女性向けに、「かかるお金」と「もらえるお金」、そしてその先に必要な家計と資産形成の話を地元のFPがわかりやすく解説します。

結婚を機に考える「ふたりのお金」の整え方【札幌編】

結婚を機に考える「ふたりのお金」の整え方【札幌編】

札幌で結婚生活を始めるときに、まず考えておきたいのが「ふたりの家計管理」です。特に札幌では、共働き夫婦が多い一方で、冬の生活費や車関連の出費など、地域特有のコストも存在します。


札幌で暮らす新婚カップルにありがちな生活スタイル


  •  共働き+車2台持ち
  •  冬季の暖房費・除雪対策にお金がかかる
  •  職場や保育園へのアクセスで住む場所が左右される


たとえば、冬の暖房費だけでも月1.5〜2.5万円前後かかることも。さらに、車を2台所有していると、駐車場代・保険・ガソリン代・タイヤ代(冬夏)などが家計を圧迫する要因になります。


具体的に話し合っておきたいこと


  •  生活費や住宅費はどちらがどれくらい負担するか?
  •  冬季の暖房費・除雪対策にお金がかかる
  •  雪かきや通勤事情も含めて住むエリアをどう選ぶ?

また、札幌はエリアによって住宅事情や物価も異なるため、「中心部の利便性重視」か「郊外で広さ・静かさを優先」かも、お金の使い方に直結します。

さらに、将来の出産・育児も見据えて、今のうちから「教育費」「マイホーム」「老後」の3大資金をどう準備していくかを、ざっくりでも話し合っておくと安心です。

出産・育児にかかるリアルなお金【札幌編】

出産・育児にかかるリアルなお金【札幌編】

出産や育児にかかる費用は、札幌でも他の地域と同様に大きな出費ですが、札幌市の支援制度をうまく活用すれば、負担を軽減できます。 ここでは、出産にかかる費用や育児に必要な支出、そして札幌ならではの支援金・助成制度について具体的に紹介します。


出産にかかる費用


  •  出産費用:一般的に約40万〜50万円がかかります。札幌市では出産育児一時金(原則50万円)が支給されるので、実際に自己負担する金額は少なくて済みます。
  •  妊婦健診:北海道内では妊婦健診の助成があり、妊娠中に14回分程度は助成が受けられます(札幌市の助成で、1回あたりの負担額は最大3,000円程度)。健康保険で一部負担してもらえるので、金銭的な負担も軽減されます。


育児中の費用


  •  ベビー用品:オムツやミルク代で月1万〜2万円がかかるのが一般的ですが、「中古で購入する」「友達と共有する」などの工夫でコストダウンが可能です。
  •  冬季の光熱費:札幌は冬が長いため、特に暖房(灯油・電気)の光熱費が大きな負担になります。毎年12月〜3月は電気代や灯油代が1.5万〜2.5万円以上かかることもあり、家計を圧迫します。


札幌市でもらえる支援金や制度


  •  出産育児一時金(50万円)
  •  妊婦健診助成(最大14回分の自己負担額が軽減)
  •  中学生まで医療費無料(所得制限なし)
  •  保育料軽減(第2子以降、保育料の無償化や軽減がある)
  •  児童手当(1子につき月1万円〜1.5万円)

これらの制度をうまく活用することで、札幌での子育ては経済的にサポートされる部分が多いため、家計の負担を軽減できます。

産後の家計とライフスタイルを見直そう

産後の家計とライフスタイルを見直そう

産後、生活のリズムが大きく変わります。特に札幌では、冬の厳しい寒さや車社会、保育園の選択肢などが家計に影響を与えるため、産後の家計見直しは非常に重要です。


産後の家計にかかる主な支出(例)


  •  オムツ代・ミルク代:月1万〜2万円。特にオムツは成長するに従って消費量が増えるため、予算に余裕をもたせておくことが重要です。
  •  育児関連の生活費:子どもの衣服や遊び道具なども考慮しておくと良いでしょう。また、札幌の冬では温かい服や靴の購入も必要になります。
  •  光熱費:冬季の灯油代や電気代がかかるため、特に暖房の効率化や電気代の節約を意識する必要があります。


札幌特有のライフスタイルとその影響


  •  車社会:札幌は車がないと不便な地域も多く、保育園や職場までの送迎を車で行うことが一般的です。そのため、ガソリン代や車両維持費が家計に大きな影響を与えます。
  •  雪かきと除雪費用:特に冬季は家の前の雪かきをしないと通行の妨げになります。これには時間や労力がかかり、場合によっては除雪代が発生することもあります。

産後の家計をうまく管理し、必要な支出と無駄な支出を見極めることが、今後の生活の安定に繋がります。

「マイホーム」は焦らない!住宅購入の考え方【札幌編】

「マイホーム」は焦らない!住宅購入の考え方【札幌編】

子どもが生まれると、次に考えるのが「マイホーム」。しかし、住宅購入には慎重に取り組むことが大切です。特に、札幌は雪が多く冬が長いため、住宅選びで冬の光熱費や車の管理、除雪といった要素も考慮しなければなりません。


札幌での住宅購入におけるポイント


  •  冬の暖房費:札幌の冬は寒く、特に光熱費(灯油代)は高くつきがちです。家を選ぶ際には、断熱性能の高い住宅や、省エネ設備が整っている物件を選ぶことが重要です。
  •  車社会への対応:札幌では車が必須な地域も多いため、駐車スペースの有無や、雪かきの手間、さらにはタイヤ交換のコストも考慮しましょう。
  •  住宅の立地選び:交通機関の便が良い中心部か、静かな郊外か、生活費や通勤時間をどのようにバランスを取るかも重要です。札幌市内の利便性の高いエリアでは、家賃や物件価格が高い傾向にあります。

無理にマイホームを持つのではなく、今は賃貸で様子を見ながら、将来的に余裕が出てきたら購入を検討する、という選択肢もあります。

将来に向けた「つみたてNISA」でじっくり資産づくり【札幌編】

将来に向けた「つみたてNISA」でじっくり資産づくり【札幌編】

札幌での子育てや日常生活は、冬の厳しい寒さや高い光熱費、車の維持費、雪かきなど、他の地域と比べて支出が大きくなりがちです。そんな中でも、つみたてNISAは、無理なく資産を積み立てて将来に備えるための強力なツールとなります。


つみたてNISAがおすすめの理由


  •  月1,000円からスタートできる
    つみたてNISAは少額から始められるので、育児中や家計に余裕がない時期でも無理なく続けることができます。たとえ少額でも積み立てを継続することで、将来に向けた準備を着実に進めることが可能です。
  •  冬は積立額を減らせる柔軟性
    札幌では冬季に暖房費や光熱費が増えがちで、予算に余裕がない場合もあります。そんなときでも、つみたてNISAは積立額を変更できるため、冬の厳しい時期には金額を減らし、春から夏にかけては元の金額に戻すなど、生活費に合わせて柔軟に調整できます。
  •  必要なときに使える柔軟性と税制優遇のバランス
    つみたてNISAは、運用益が非課税になる税制優遇がありながら、必要になったタイミングでいつでも資金を引き出せるのが大きなメリットです。これは、原則60歳まで引き出せないiDeCoとの大きな違い。将来の老後資金だけでなく、教育費やマイホーム資金など、ライフイベントが多い子育て世代の家庭にぴったりです。

子育てや住宅購入には、地域特有の出費がつきもの。だからこそ、将来に向けて無理なく続けられる資産づくりが大切です。

つみたてNISAは、少額から始められて、季節ごとの支出にも柔軟に対応できる資産形成の味方。さらに、税制優遇を受けながら、必要なときには引き出せる安心感は、育児や住宅ローンなどライフイベントが重なる時期にこそ心強い存在です。

【まとめ】札幌での家族設計は「地域特性の理解」がカギ!

【まとめ】札幌での家族設計は「地域特性の理解」がカギ!

札幌での子育ては、手厚い支援制度とともに地域特有の費用(冬季の光熱費や車関連)があるため、家計管理には特別な配慮が求められます。 でも、しっかりと支援制度を利用し、将来に向けた備えを始めることで、安心して家族とともに楽しい生活を送ることができます。

少しでも早いうちから準備をして、将来の安心を手に入れましょう。

この記事を書いた人

小川 和哉 | ファイナンシャルプランナー

資産運用、保険、住宅ローンなど幅広い分野に精通し、個人の家計相談に加え、個人事業主や副業を行う方への記帳指導・経理支援にも力を入れており、実務に直結する実践的なアドバイスを提供。ライフスタイルに応じたオーダーメイド設計と、将来を見据えた長期的なサポートを重視し、目先の利益にとらわれない提案が好評。
相談・お仕事のご依頼

お問い合わせ

SNS
SHARE