20代で家を買うのは早すぎる?むしろ合理的な理由と資金計画のコツ|FPが解説
「20代で家を買うのはちょっと早すぎるのでは…」
そんなふうに思っている方も多いかもしれません。でも実は、20代での住宅購入はライフプラン全体を見据えた“賢い選択”になる可能性も。
この記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から、住宅購入で後悔しないための資金計画の立て方と、新NISAを使ったお金の育て方について解説します。
なぜ20代がチャンス?今買うことの3つの合理性
なぜ20代がチャンス?今買うことの3つの合理性
⚫︎ 定年前にローン完済できる
たとえば28歳で35年ローンを組んだ場合、完済は63歳。
定年退職前にローンを終えられれば、退職金を住宅ローンの返済に使う必要がなくなり、老後資金に全額回すことができます。 退職した後も住宅費がかからない生活は、老後の安心感がまるで違います。
⚫︎ 物価上昇前にマイホームを確保できる
近年、建築資材や土地価格が上昇しており、住宅価格は今後も上がる可能性があります。 早めに購入することで、将来の高騰リスクを回避できるのは大きなメリットです。 タイミングによってはわずか数年で数百万円単位で差が出ることも。
⚫︎ 住み替えという選択肢も取りやすい
若いうちに購入した家を、ライフスタイルの変化に応じて売却・住み替えることも可能です。 仮に50代以降、老後の暮らしに合うコンパクトな住まいに移れば、売却代金で次の家を購入することもできます。
一方で、20代ならではの不安やリスクも
一方で、20代ならではの不安やリスクも
もちろん、20代で家を買うことには注意点もあります。
❗ デメリットとその対策
⚫︎ ライフプランの変化が読めない
例:転職や結婚、転勤などでエリアが合わなくなるリスク。
▶【対策】将来の賃貸需要がある立地を選ぶ、売却・賃貸も視野に。
⚫︎ 収入が安定していないケースも
例:フリーランスや副業中心で変動が大きい場合。
▶【対策】返済比率は手取りの25%以下に抑え、無理のない返済プランを。
⚫︎ 頭金が用意できないことも多い
▶【対策】フルローンも可能だが、数十万円でも貯めておくと心理的・金利的に有利。
資金計画のポイントは「無理なく返せる額」をベースに
資金計画のポイントは「無理なく返せる額」をベースに
金融機関が「貸してくれる金額」ではなく、自分が“ムリなく返せる金額”を基準に考えるのが大切です。
たとえば年収400万円の人なら、月々の返済は8万円以内が目安。 ボーナス払いに頼らず、普段の収入だけで返せる範囲に収めるのが鉄則です。
返済が始まると生活が厳しくなるリスクがあるため、住宅ローンの返済負担をしっかり見極めることが重要です。ローンを組むときは、返済後にどれだけ生活に余裕があるかを意識しましょう。
出ていくお金(住宅ローン)と、育てるお金(新NISA)
出ていくお金(住宅ローン)と、育てるお金(新NISA)
住宅を持つと、固定費としてローンや管理費などがかかる一方で、お金を「増やす仕組み」も持っておくことがバランスの鍵になります。
▶ 新NISAは20代の“生活に使える投資”に最適
新NISAは、2024年から始まった非課税の投資制度。 老後まで引き出せないiDeCoとは違い、必要なときにいつでも取り崩せるのが大きな特徴です。
- 月1,000円〜からスタート可能
- 利益はすべて非課税(20%の税金がゼロ)
- 教育費・旅行費・買い替え資金など、将来使いたいお金に柔軟対応
住宅ローンで「出ていくお金」があるからこそ、新NISAで「育てるお金」も作っておくことで、全体の資金バランスを整えます。 特に新NISAは、毎月コツコツと少額から投資を始められるため、ローンと並行しても負担なく続けられます。早い段階で始めておくことで、将来のリターンを最大化することが期待できます。
【まとめ】20代で家を買うことは、未来への先行投資
【まとめ】20代で家を買うことは、未来への先行投資
「家が欲しい」と思ったときが、家計と人生を見直す絶好のタイミングです。
20代での住宅購入は、ローン完済の早期化、物価上昇への対策、将来の住み替えなど、数多くのメリットがあります。 もちろんリスクもありますが、それは事前の計画と早めの資産形成でしっかりコントロールできます。
あなたの未来に合わせた住まいの購入、早めに検討してみませんか?