親が老人ホームに入った後、実家は売る?3,000万円特別控除と売却期限
公 開 日:2025年5月21日
最終更新日:2026年8月24日
親が老人ホームに入ることになり、実家に住む人がいなくなると、「この家はどうしよう」と考えることがあります。
そのまま残しておくのか、誰かに貸すのか、それとも売却するのか。
すぐに答えを出せないことも多いでしょう。
もし親が長く住んでいた実家を売却する場合、条件を満たせば、売却したときの利益から最高3,000万円を差し引ける特例を利用できることがあります。
ただし、この特例には売却する時期などの条件があります。
この記事では、親が老人ホームに入った後に実家を売る場合の3,000万円特別控除について、できるだけ分かりやすく整理します。
この記事でわかること
この記事でわかること
- 老人ホームに入った後でも3,000万円特別控除を使えるのか
- 実家はいつまでに売ればよいのか
- 実家を一時的に貸した場合はどうなるのか
- 住民票を実家に残しておく必要があるのか
- 親が生前に売る場合と、相続後に売る場合の違い
老人ホームに入った後でも3,000万円特別控除は使える?
老人ホームに入った後でも3,000万円特別控除は使える?
親が老人ホームに入って実家に住まなくなった場合でも、条件を満たせば3,000万円特別控除を使えることがあります。
この制度は、今住んでいる自宅だけでなく、以前住んでいた自宅を売る場合も対象になることがあります。
そのため、老人ホームに入ったあとに実家を売却する場合も、まずは対象になるか確認してみるとよいでしょう。
ただし、売却する相手や売却する時期など、いくつか条件があります。
3,000万円特別控除とは?
3,000万円特別控除とは?
自宅を売って利益が出ると、その利益に対して税金がかかることがあります。
この売却による利益を「譲渡所得」といいます。
3,000万円特別控除は、条件を満たした自宅を売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける制度です。
たとえば、実家を売った金額から、購入したときの費用や売却にかかった費用などを差し引いて利益が出た場合、その利益からさらに最高3,000万円を控除できます。
実家を購入したときの売買契約書などが残っている場合は、売却前に確認しておくとよいでしょう。
実家はいつまでに売ればいい?
実家はいつまでに売ればいい?
老人ホームに入った後の実家売却では、売却する時期が大切です。
以前住んでいた自宅について3,000万円特別控除を使う場合は、原則として住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。
たとえば、2026年中に実家へ住まなくなった場合は、原則として2029年12月31日までが目安になります。
実家をすぐ売るか決めていなくても、「いつから住んでいないのか」は確認しておくと安心です。
家族でゆっくり考えているうちに期限が近づくこともあるため、売却する可能性がある場合は早めに日付だけ確認しておきましょう。
老人ホーム入所後に実家を貸した場合は?
老人ホーム入所後に実家を貸した場合は?
親が老人ホームへ入ったあと、実家をすぐには売らず、しばらく誰かに貸すことも考えられます。
以前住んでいた自宅をそのまま売る場合は、住まなくなった後に家を賃貸などで利用していても、売却期限などの条件を満たせば3,000万円特別控除の対象になることがあります。
そのため、
- しばらく空き家として残す
- 一時的に貸す
- 売却する
といった選択肢を考えることができます。
ただし、建物を取り壊して土地だけを売る場合などは条件が変わります。
「家をそのまま売るのか」「一度貸してから売るのか」「建物を取り壊すのか」によって確認する内容が変わるため、具体的に決める段階で税理士や税務署などに確認すると安心です。
住民票や家具はどうすればいい?
住民票や家具はどうすればいい?
老人ホームに入ると、住民票を施設へ移すことがあります。
3,000万円特別控除を考えるときに大切なのは、住民票をどこに置いているかだけではなく、親が実際にその家で生活していたことや、売却時期などの条件を満たしていることです。
税制のために家具を実家へ残したり、生活しているような状態を作ったりする必要はありません。
老人ホームへ持っていくもの、家族が保管するもの、処分するものなどは、親本人や家族の事情に合わせて整理していきましょう。
実家を売るなら親の意思も確認しておく
実家を売るなら親の意思も確認しておく
税金とは別に、実家をどうするか考えるうえで大切なのが、親本人の希望です。
実家が親名義であれば、売却するのは基本的に所有者である親本人です。
「もう戻る予定はないから売ってもいい」と考えているのか、「できれば家は残しておきたい」と思っているのかでも、家族の選択は変わります。
また、認知症などによって契約内容を理解して判断することが難しくなると、家族だけの判断で簡単に売却できない場合があります。
売却するかどうかを今すぐ決めなくても、親が元気なうちに実家を将来どうしたいか話しておくことは大切です。
親が亡くなった後に売る場合は別の特例がある
親が亡くなった後に売る場合は別の特例がある
ここまで紹介した3,000万円特別控除は、親が生前に自分の家を売る場合の制度です。
親が亡くなった後に、相続した実家を売却する場合には、別に「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」という制度があります。
親が老人ホームへ入所したあとに亡くなった場合でも、一定の条件を満たせば対象になることがあります。
生前に売る場合と、相続してから売る場合では条件が違うため、どちらのケースなのかを分けて確認しましょう。
Mクリニックで相談できること
Mクリニックで相談できること
Mクリニックは札幌を拠点に、家計、保険、住宅ローン、教育費、老後資金、資産運用、終活など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。
親が老人ホームへ入った後の実家についても、売却だけを考えるのではなく、これからの生活全体を見ながら整理します。
たとえば、
- 実家を売るか、そのまま残すか迷っている
- 実家を持ち続ける場合の維持費を確認したい
- 老人ホームの費用と親の資産を一緒に整理したい
- 実家を売った後のお金をどう使うか考えたい
- 相続も含めて家族で今後のことを整理しておきたい
といった相談があります。
実家には、税金だけでなく、親本人の気持ちや家族の思い、今後の生活費など、いろいろなことが関係します。
どれか一つだけで決めるのではなく、選択肢を並べながら今後の方向を整理していきます。
札幌を拠点にしていますが、全国を対象にオンラインでの相談にも対応しています。
まとめ|実家をどうするか迷ったら、まず期限を確認しておく
まとめ|実家をどうするか迷ったら、まず期限を確認しておく
親が老人ホームに入った後でも、条件を満たせば、実家の売却で3,000万円特別控除を利用できることがあります。
特に確認しておきたいのは、
- 親がいつまで実家に住んでいたか
- 実家をいつまでに売ればよいか
- 今後、実家を売る・貸す・残すのどれを考えているか
- 親本人は実家を今後どうしたいと考えているか
という点です。
老人ホームに入ったからといって、すぐに実家を売る必要はありません。
ただし、税制には期限があります。
まだ売却するか決めていなくても、まずは「いつまでに売れば特例を使える可能性があるのか」を確認したうえで、家族でゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。
2025年5月21日 執筆
2026年8月24日 更新
