2025.07.11
  • 資産運用

30代の資産形成を成功させる投資プランニング|使うタイミングと資産配分設計のポイント

20代は「まず投資を始める」ことが大事でしたが、30代は「いつ」「何に」「いくら使うか」を設計し、使うタイミングに合わせた資産配分を組むことが成功の鍵です。

結婚、住宅購入、子育て、キャリアアップなど、大きなライフイベントを見据え、「貯める」「増やす」「使う」を同時にデザインする力が必要です。

■ 30代投資プランニングの重要性

■ 30代投資プランニングの重要性

30代は収入が安定してくる一方で支出も増え、使い道が現実味を帯びてきます。


  •  住宅購入の頭金(3〜5年以内に数百万円)
  •  結婚、出産、子育て初期費用
  •  教育資金(10年以上先)
  •  老後資金(30年以上先)


「使うタイミング」に応じた資産設計こそが、30代の投資プランニングの本質です。

■ 使うタイミングを具体的に設計する

■ 使うタイミングを具体的に設計する

まず大事なのは「目的ごとの設計」。


  •  いつ使うのか
  •  何に使うのか
  •  いくら必要か


例えば


  •  住宅購入→5年以内に500万円
  •  子供の教育資金→10年以上先に300万円
  •  老後資金→30年以上先に1000万円以上


「時期ごとに分けて管理」することで、暴落時に大切な資金を取り崩すリスクを減らせます。

■ 資金用途別の具体的戦略

■ 資金用途別の具体的戦略

1年以内に使う資金

使い道 : 車の購入費用、旅行費用、引っ越し費用など

投資先 : 普通預金や1年以上保有した個人向け変動金利型国債


ポイント: 「いつでも使える」ようにしておく。


3〜5年後に使う資金

使い道 : 住宅購入の頭金、子どもの入園・入学費用

投資先 : 国債、短期債券型ファンドなど低リスク資産


ポイント: 大きな利回りは狙わず、価格変動を抑える。


10年以上先に使う資金

使い道 : 教育資金、老後資金

投資先 : 全世界株式や先進国株式を対象にしたインデックス型投資信託、分散型株式ファンド


ポイント: 時間を味方に、リスクを取って増やす。

■ 生活防衛資金の賢い運用法

■ 生活防衛資金の賢い運用法

生活費6ヶ月〜1年分は家計の安心資金。しかし全額を普通預金に眠らせるのは非効率。


  •  普通預金で3ヶ月分
  •  個人向け変動金利型国債で3〜6ヶ月分


国債は発行から1年経過すれば中途換金でも元本保証。変動タイプなら金利上昇局面では利子アップも期待。余裕があれば短期債券ファンドやMRF(マネー・リザーブ・ファンド)も検討。


→ 「すぐ使える+少し増やす」工夫を。

■ 30代の資産配分設計|リスク資産70%、安全資産30%

■ 30代の資産配分設計|リスク資産70%、安全資産30%

基本の目安は「リスク資産70%、安全資産30%」。 ただし中身をきちんと分けることが大切。

リスク資産の例

  •  全世界株式や先進国株式に分散投資するインデックス型投資信託
  •  新興国株式を含む分散型ファンド
  •  海外債券を組み込む投資信託やETF


慣れてきたら個別株式やテーマ型投資信託も検討。


安全資産の例

  •  個人向け変動金利型国債
  •  短期債券ファンド
  •  MRF(マネー・リザーブ・ファンド)


物価上昇、金利変動リスクに対応する分散設計を。

■ NISAとiDeCoの戦略的使い分け

■ NISAとiDeCoの戦略的使い分け

NISA

  •  非課税枠をフル活用する基本戦略
  •  目的ごとに銘柄を分ける
  •  住宅購入用→購入予定の1年以内に現金化計画
  •  老後資金→長期株式投資を継続

iDeCo

  •  60歳まで引き出せない老後資金専用
  •  子育て、住宅ローンなど予想外の支出が多い30代は掛金を抑えめに


節税メリットだけで全力投入はNG。 流動性リスクを管理するのが30代戦略のポイント。

■ 【まとめ】引き続き自己投資も忘れずに!

■ 【まとめ】引き続き自己投資も忘れずに!

30代の資産形成を成功させるには


  •  使うタイミングを設計し資産を分ける
  •  生活防衛資金は預金+国債で管理
  •  リスク資産70%、安全資産30%を目安に分散
  •  NISAとiDeCoを目的ごとに戦略的に使い分ける


そして引き続き「自分自身への投資」も忘れないこと。自分自身の「稼ぐ力」を高めることこそ、将来の最大の資産形成につながります。 10年後に「やっておいて良かった」と思える計画を今から始めましょう。

この記事を書いた人

小川 和哉 | ファイナンシャルプランナー

資産運用、保険、住宅ローンなど幅広い分野に精通し、個人の家計相談に加え、個人事業主や副業を行う方への記帳指導・経理支援にも力を入れており、実務に直結する実践的なアドバイスを提供。ライフスタイルに応じたオーダーメイド設計と、将来を見据えた長期的なサポートを重視し、目先の利益にとらわれない提案が好評。
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