副業の住民税は申告が必要?20万円ルール・普通徴収・会社に知られる仕組み
公 開 日:2025年04月26日
最終更新日:2026年9月23日
会社員が副業を始めると、「20万円以下なら確定申告しなくていい?」「住民税は別に申告するの?」「普通徴収にすれば会社には分からない?」といった疑問が出てきます。
ここで最初に整理したいのは、所得税と住民税は別のルールで考える必要があるということです。
よく聞く「20万円以下なら確定申告不要」という話は、主に所得税の確定申告に関するルールです。
所得税の確定申告が不要でも、住民税については別途申告が必要になる場合があります。
また、副業分の住民税を「自分で納付」にできるかどうかは、副業がアルバイトなどの給与所得なのか、自分で行う事業や雑所得なのかによっても違います。
この記事では、会社員が副業をしたときの住民税について、20万円ルール、収入と所得の違い、普通徴収と特別徴収、勤務先に知られる可能性まで整理します。
この記事でわかること
この記事でわかること
- 副業の「20万円ルール」が何を意味するのか
- 所得税の確定申告が不要でも住民税申告が必要になる理由
- 「収入」と「所得」の違い
- 普通徴収と特別徴収の違い
- 副業が給与所得の場合と、給与以外の所得の場合の違い
- 普通徴収を選べば会社に知られないのか
副業の「20万円ルール」は所得税の話
副業の「20万円ルール」は所得税の話
会社員の副業でよく聞くのが、「20万円以下なら確定申告をしなくていい」という話です。
これは、一定の条件を満たす給与所得者について、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告をしなくてもよいという制度です。
たとえば、本業の会社で年末調整が済んでいる会社員が、自分で行っている副業から年間15万円の所得を得た場合、他の条件も満たしていれば所得税の確定申告が不要になることがあります。
ただし、ここで大切なのは、「20万円以下なら何もしなくてよい」という意味ではないことです。
確定申告をするなら20万円以下の所得も含める
医療費控除などを受けるために所得税の確定申告をする場合は、「副業所得が20万円以下だから、その部分だけ申告しない」という扱いはできません。
確定申告をするのであれば、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。
また、副業が別の会社で働くアルバイトなどの給与の場合には、「給与以外の所得が20万円以下」という考え方をそのまま当てはめることはできません。
副業の働き方によって確認する条件が違うため、「20万円」という数字だけで判断しないことが大切です。
住民税の申告は所得税と分けて考える
住民税の申告は所得税と分けて考える
所得税の確定申告が不要になっても、住民税まで自動的に申告不要になるとは限りません。
住民税は都道府県・市区町村が課税する税金なので、住んでいる自治体の申告ルールを確認する必要があります。
たとえば札幌市では、勤務先から給与支払報告書が提出されている会社員であっても、給与以外の所得があった場合には住民税申告が必要と案内されています。
一方で、前年中の合計所得金額が一定額以下の場合など、申告が不要となるケースもあります。
そのため、「副業で1円でも所得があれば全員必ず住民税申告が必要」ということではなく、「所得税の確定申告が不要でも、住民税は別に確認する」と考える方が正確です。
所得税の確定申告をした場合
所得税の確定申告をして副業所得も申告している場合、その情報は自治体へ送られるため、通常は同じ内容について住民税申告を別に行う必要はありません。
所得税の確定申告をしない場合に、住民税だけの申告が必要になるかを自治体へ確認します。
副業では「収入」と「所得」を分けて考える
副業では「収入」と「所得」を分けて考える
副業の税金を考えるときには、「収入」と「所得」を混同しないことも重要です。
- 収入:売上や報酬など、入ってきた金額
- 所得:収入から必要経費などを差し引いた金額
たとえば、ハンドメイド商品を年間30万円販売し、材料費や販売手数料などの必要経費が12万円かかった場合、単純な例では所得は18万円です。
30万円の「収入」があるから30万円にそのまま税金がかかるということではありません。
副業を自分で行っている場合は、売上だけでなく、何にいくら使ったのかを記録し、所得がいくらなのか分かる状態にしておく必要があります。
特別徴収と普通徴収の違い
特別徴収と普通徴収の違い
会社員の住民税は、多くの場合、勤務先の給与から天引きされています。
これを「特別徴収」といいます。
一方、自宅に届く納付書や口座振替などで自分で住民税を支払う方法を「普通徴収」といいます。
- 特別徴収:勤務先が給与から住民税を天引きして納付する
- 普通徴収:本人が納付書などを使って自分で納付する
副業をしている会社員の場合、本業の給与にかかる住民税は特別徴収のまま、副業分だけを普通徴収にできる場合があります。
ただし、誰でも自由に選べるわけではありません。
副業が給与か、それ以外かで扱いが変わる
副業が給与か、それ以外かで扱いが変わる
住民税の納付方法を考えるうえで特に重要なのが、副業から得ているお金が「給与所得」なのか、それ以外の所得なのかです。
自分で行う副業の場合
ブログ、アフィリエイト、動画配信、制作、講師、ネット販売など、自分で行う副業による事業所得や雑所得など、給与以外の所得については、確定申告の際に住民税の徴収方法として「自分で納付」を選択できる場合があります。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、給与所得以外の所得に対する住民税について、「特別徴収」と「自分で納付」を選択できると案内されています。
アルバイトなど給与として受け取る副業の場合
一方、副業先と雇用契約を結び、アルバイトやパートなどとして給与を受け取っている場合は考え方が違います。
給与所得に対する住民税は原則として特別徴収となるため、「副業先の給与分だけ自分で納付したい」と本人の希望だけで普通徴収へ変更できるとは限りません。
札幌市も、アルバイトやパートを含め、給与の住民税は原則として特別徴収すると案内しています。
「副業なら普通徴収を選べる」と一括りにしないことが大切です。
普通徴収なら会社に副業を知られない?
普通徴収なら会社に副業を知られない?
副業について検索すると、「普通徴収にすれば会社にバレない」という説明を見かけることがあります。
しかし、これは保証できるものではありません。
給与以外の副業所得について「自分で納付」を選び、その部分の住民税が普通徴収になれば、副業分の住民税を本業の給与から天引きしない形になることはあります。
ただし、最終的な住民税の処理は自治体が行います。また、副業が給与所得であれば普通徴収を選択できない場合があります。
さらに、勤務先が副業を知るきっかけは住民税だけとは限りません。
そのため、普通徴収は「副業を会社に知られないための制度」ではなく、あくまで住民税の納付方法の一つとして考える必要があります。
勤務先の就業規則も確認する
副業が許可制なのか、届出制なのか、一定の副業が禁止されているのかは勤務先によって違います。
住民税の納付方法を変えることと、勤務先の就業規則に従うことは別の問題です。
副業を始める前に、勤務先のルールも確認しておきましょう。
副業を始めたら収入と経費を記録しておく
副業を始めたら収入と経費を記録しておく
副業の住民税や確定申告で困らないためには、日頃からお金の流れを残しておくことが重要です。
- いつ売上や報酬を受け取ったか
- いくら収入があったか
- 必要経費として何にいくら使ったか
- 領収書や請求書をどこに保存したか
- 副業専用の口座やカードを利用しているか
年末になってから一年分を思い出そうとすると、何に使ったお金なのか分からなくなりやすくなります。
副業を継続するのであれば、売上が少なくてもExcelや会計ソフトなどで記録を始めておくと、所得税や住民税の申告が必要になったときにも確認しやすくなります。
Mクリニックで相談できること
Mクリニックで相談できること
Mクリニックは札幌を拠点に、家計、保険、住宅ローン、教育費、老後資金、資産運用など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。
副業についても、単に税金だけを見るのではなく、副業による収入を家計の中でどのように管理し、将来のお金にどうつなげていくかを一緒に整理します。
たとえば、
- 副業の売上・経費・利益を整理したい
- 生活費と副業のお金を分けたい
- 記帳を始めるための準備をしたい
- 税金として残しておくお金を考えたい
- 副業収入を貯蓄や資産形成にどう回すか整理したい
- 将来的な独立も含めて資金計画を考えたい
といった相談ができます。
具体的な税額計算、税務申告の代行、所得区分などの個別の税務判断については、税務署や税理士への確認が必要です。
札幌を拠点にしていますが、全国を対象にオンラインでの相談にも対応しています。
まとめ|副業の住民税は所得税と分けて考える
まとめ|副業の住民税は所得税と分けて考える
会社員の副業では、「20万円以下なら何もしなくていい」と考えないことが大切です。
20万円という基準は主に所得税の確定申告に関するもので、所得税の確定申告が不要でも、住民税については別途申告が必要になる場合があります。
また、住民税を自分で納付できるかどうかも、副業の形によって違います。
- 自分で行う副業など、給与以外の所得は「自分で納付」を選べる場合がある
- アルバイトなどの給与所得は原則として特別徴収となる
- 普通徴収を選んでも、会社に副業を知られないことが保証されるわけではない
- 所得税の確定申告が不要でも、住民税申告の要否は自治体へ確認する
副業を始めたら、まず収入と所得を分けて考え、売上や経費を継続して記録しておきましょう。
税金の申告時期になってから慌てるのではなく、副業のお金を普段から見えるようにしておくことが、長く続けるための基本です。
2025年4月26日 執筆
2026年9月23日 更新
