2026.09.09
  • 住まい
  • ライフプラン

初めての住宅購入|物件を見る前に決めたい住宅予算と住宅ローンの考え方

公 開 日:2025年05月01日

最終更新日:2026年09月09日


初めて家を買うとき、最初に住宅展示場へ行ったり、不動産サイトで物件を探したりする方は多いと思います。

ただ、できればその前に決めておきたいことがあります。

それは、「自分たちは、住宅にいくらまで使ってよいのか」です。


先に物件を見てしまうと、「この家なら5,000万円でも欲しい」「あと500万円なら何とかなる」と、気に入った物件に合わせて資金計画を作りやすくなります。

でも、住宅購入後にも生活は続きます。

教育費、車、旅行、住宅の修繕、老後資金、資産運用など、家以外にも使いたいお金があります。


住宅予算は、年収の何倍までといった目安や、銀行から借りられる金額だけで決めるものではありません。

家を買った後も、自分たちがしたい生活を続けられる金額から逆算して決めることが大切です。


この記事では、初めて住宅を購入する方が、物件を探し始める前に確認しておきたい住宅予算の決め方を整理します。

この記事でわかること

この記事でわかること

  • 物件を見る前に住宅予算を決めた方がよい理由
  • 年収だけで住宅予算を決めない方がよい理由
  • 住宅購入後の家計から予算を考える方法
  • 住宅ローン以外に必要になる住居費
  • 頭金をいくら入れるかの考え方
  • 返済期間と資産運用をどう考えるか
  • 固定金利と変動金利を決める順番
  • 住宅購入前に確認しておきたいこと

物件を見る前に、住宅予算を決める

物件を見る前に、住宅予算を決める

住宅購入では、できれば物件探しより先に資金計画を作ります。

先に決めておきたいのは、大きく3つです。


  • 住宅購入後も手元に残しておくお金
  • 毎月、住宅に使える金額
  • 購入できる住宅価格の上限

この順番で考えるのがポイントです。

最初から「4,000万円の家を買いたい」と決めて住宅ローンを計算するのではありません。

まず、住宅を買った後にも必要なお金を確認し、そのうえで毎月どのくらいなら住宅費へ回せるのかを考えます。

そこから借入額や住宅価格を決めていきます。


物件価格に家計を合わせるのではなく、家計に合う物件価格を先に決める。

これが住宅購入の資金計画の基本です。

「年収の何倍まで」で決めない

「年収の何倍まで」で決めない

住宅予算を調べると、「年収の○倍」「返済負担率○%」といった数字を目にすることがあります。

こうした数字は参考にはなりますが、それだけで自分の住宅予算を決めることはできません。

同じ年収600万円の家庭でも、


  • 子どもがいない家庭
  • 子どもが3人いる家庭
  • 車を2台所有している家庭
  • 奨学金や自動車ローンがある家庭
  • すでに十分な金融資産がある家庭
  • これから教育費を多く準備したい家庭

では、住宅に使える金額は違います。

金融機関の審査で借りられる金額も、自分たちにとって適正な住宅予算と同じではありません。


「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら返しながら生活を続けられるか」を先に考えます。

家を買った後の生活から予算を考える

家を買った後の生活から予算を考える

住宅予算を考えるときに、最初に確認したいのは現在の年収よりも、住宅購入後の家計です。

まず、


  • 毎月の手取り収入
  • 現在の生活費
  • 車にかかる費用
  • 保険料
  • 子どもにかかる費用
  • 毎月の貯蓄・資産運用
  • 現在返済しているローン

を整理します。

さらに今後、


  • 出産や育休で収入が変わる
  • 教育費が増える
  • 車を買い替える
  • 旅行や趣味にもお金を使いたい
  • 老後資金を準備する

といった予定も考えます。

そのうえで、住宅を購入しても毎月の生活が無理なく続き、必要な貯蓄や資産形成も続けられる住宅費を決めます。

住宅購入によって、


  • 旅行に行けなくなる
  • 車を買い替えられなくなる
  • 教育費を準備できなくなる
  • 資産運用をやめなければならなくなる

のであれば、本当にその住宅価格でよいのか一度考えた方がよいでしょう。


家を買うこと自体が目的ではなく、その家でどのような生活をしたいのかが先です。

住宅ローン以外にかかるお金も入れる

住宅ローン以外にかかるお金も入れる

住宅購入後の住居費は、住宅ローンだけではありません。

戸建ての場合

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険・地震保険
  • 外壁や屋根の修繕
  • 給湯器や暖房設備の交換
  • 水回りなどの修繕

マンションの場合

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 駐車場代など

国土交通省も、持ち家では住宅ローン以外に、固定資産税や修繕費、マンションでは管理費・修繕積立金などの継続的な費用がかかると案内しています。

そのため、

「今の家賃が12万円だから、住宅ローンも12万円なら大丈夫」

という比較では足りません。

住宅購入後にかかる費用全体を見て、毎月の住居費を考えます。


参考:
国土交通省|住まいにはどんな費用がかかる?

頭金は「何割入れるか」から考えない

頭金は「何割入れるか」から考えない

住宅購入では、「頭金を何割入れればよいか」と聞かれることがあります。

でも、最初に割合を決める必要はありません。

先に考えたいのは、住宅購入後も手元にいくら残しておく必要があるかです。

たとえば、


  • 日常生活に必要なお金
  • 近いうちに購入する車
  • 教育費
  • 引っ越しや家具・家電
  • 予定している大きな支出

などです。

必要なお金まで頭金へ入れてしまうと、あとでお金が必要になったときに別のローンを利用することにもなりかねません。

また、手元に残した資金を長期間使わないのであれば、資産運用へ回す方法もあります。

住宅ローンの金利や借入条件によっては、頭金を増やして借入額を減らすより、必要な資金を手元に残して運用する方が家計全体で有利になることもあります。


頭金は「多いほどよい」ではなく、住宅購入後のお金の使い道まで見て決めます。

返済期間を決めるときは資産運用も一緒に考える

返済期間を決めるときは資産運用も一緒に考える

資金計画を作る上で大切な前提があります。

それは、返済期間を長くしなければ買えない住宅を選ばないことです。

長期間にしなければ毎月の返済が成立しないのであれば、返済期間ではなく住宅予算を見直します。

一方、短い返済期間でも十分返せる家計であれば、あえて返済期間を長くして毎月の返済額を抑える方法があります。

その場合、減った返済額を生活費として使うのではありません。

必要な現金を確保したうえで、返済額の差を長期の資産運用へ回します。

住宅ローンを長くすることで支払う利息は増えますが、長期間の運用による利益が、その増えた利息を上回ることもあります。


住宅ローンを早くゼロにすることだけを考えるのではなく、住宅ローンを返しながら金融資産を作っていくという考え方です。

返済期間、頭金、繰上返済と資産運用の考え方については、別の記事で詳しく解説しています。


関連記事:
住宅購入の資金計画に無理はない?住宅ローンの返済期間・頭金・資産運用の考え方


関連記事:
住宅ローン金利上昇でどうする?資産運用を組み合わせた住宅ローン設計をFPが解説

固定金利・変動金利は住宅予算を決めた後

固定金利・変動金利は住宅予算を決めた後

資金計画の作成が進んでいくと、「変動金利と固定金利のどちらがよいか」が気になると思います。

このとき、金利タイプを先に決める必要はありません。

まず、無理なく購入できる住宅価格を決めます。

そのうえで、どの金利タイプが家計に合うかを考えます。

変動金利を考えるなら

現在の返済額だけではなく、金利が上がったときにも家計で対応できるかを確認します。

金利が上がったら生活が成り立たなくなるような借入額では、変動金利を選ぶ以前に住宅予算を見直した方がよいでしょう。

固定金利を考えるなら

返済額が変わらないため、今後の支出や資産形成を計画しやすくなります。

その代わり、借入時点では変動金利より返済額が高くなることもあります。

「収入が増える予定がないから固定金利」といった一つの条件だけで決めるのではなく、金利が変わったときに家計がどうなるか、自分たちは返済額の変化をどこまで受け入れられるかで考えます。

予定が変わっても返せるか確認する

予定が変わっても返せるか確認する

資金計画を作ったら、一度条件を変えてみます。

たとえば、


  • 育休や時短勤務で収入が減ったら
  • 転職して一時的に収入が減ったら
  • 子どもの教育費が増えたら
  • 車の買い替えが重なったら
  • 住宅の修繕が必要になったら
  • 変動金利の金利が上がったら

どうなるかを確認します。

すべての出来事が同時に起きる前提で考える必要はありません。

ただ、よくありそうな変化が一つ起きただけで住宅ローンを払えなくなるのであれば、住宅予算を下げた方がよいでしょう。


現在の条件で返せるかではなく、生活が少し変わっても返し続けられるかを見ることが大切です。

物件を見る前に確認しておきたいこと

物件を見る前に確認しておきたいこと

住宅展示場や物件見学へ行く前に、次のことを確認してみてください。


  • 住宅購入後も手元に残す金額を決めたか
  • 現在の生活費を把握しているか
  • 教育費や車など今後の大きな支出を考えたか
  • 住宅ローン以外の住居費を入れたか
  • 住宅購入後も貯蓄や資産運用を続けられるか
  • 頭金を入れすぎて現金が少なくならないか
  • 金利が変わっても対応できるか
  • 収入が一時的に減っても返済できるか
  • 自分たちが購入してよい住宅価格の上限を決めたか

ここまで決めてから物件を見ると、「買えるかどうか」ではなく、決めた予算の中でどの家を選ぶかという見方ができます。

気に入った物件が予算を超えていたときにも、冷静に判断しやすくなります。

Mクリニックで相談できること

Mクリニックで相談できること

Mクリニックは札幌を拠点に、家計、保険、住宅ローン、教育費、老後資金、資産運用など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。

住宅購入では、物件を決めた後に住宅ローンだけを比較するのではなく、物件を探す前の住宅予算から相談できます。

たとえば、


  • 自分たちはいくらまでの家なら買ってよいか知りたい
  • 銀行から提示された借入額で本当に問題ないか確認したい
  • 頭金をいくら入れるか考えたい
  • 購入後も資産運用を続けられる住宅予算を考えたい
  • 返済期間を何年にするか整理したい
  • 固定金利と変動金利を比較したい
  • 教育費や老後資金まで含めて住宅購入を考えたい
  • 団信と現在の生命保険を一緒に見直したい

といった相談ができます。

住宅価格だけではなく、購入後の生活、手元資金、住宅ローン、保険、教育費、資産運用まで一緒に確認しながら、住宅に使ってよい金額を整理します。

札幌を拠点にしていますが、全国を対象にオンラインでの相談にも対応しています。

まとめ|家を見る前に「いくらまでなら買ってよいか」を決める

まとめ|家を見る前に「いくらまでなら買ってよいか」を決める

初めて住宅を購入するときは、物件探しから始めたくなると思います。

でも、その前に住宅予算を決めておくことが大切です。

住宅予算は、


  • 年収の何倍か
  • 銀行がいくら貸してくれるか
  • 今の家賃と住宅ローンが同じくらいか

だけでは決められません。

住宅を買った後にも、生活費、教育費、車、旅行、修繕、老後資金、資産運用などにお金を使います。

それらを続けても無理なく返済できる金額が、自分たちの住宅予算です。

そして、住宅価格が決まってから、頭金、返済期間、金利タイプ、資産運用を組み合わせていきます。


「どの家が欲しいか」を考える前に、「いくらまでなら買ってよいか」を決めておく。

この順番にするだけでも、住宅購入後の家計は大きく変わります。



2025年5月1日 執筆

2026年9月9日 更新

この記事を書いた人

小川 和哉 | ファイナンシャルプランナー

資産運用、保険、住宅ローンなど幅広い分野に精通し、個人の家計相談に加え、個人事業主や副業を行う方への記帳指導・経理支援にも力を入れており、実務に直結する実践的なアドバイスを提供。ライフスタイルに応じたオーダーメイド設計と、将来を見据えた長期的なサポートを重視し、目先の利益にとらわれない提案が好評。
相談・お仕事のご依頼

お問い合わせ

SNS
SHARE