【基礎編】教育資金3つの貯め方。学資保険は返礼率何%以上がお得?
子どもが生まれたら将来教育資金が必要になることが確定します。お金を貯めるのには時間がかかりますので、なるべく早く準備を始めるのがお勧めです。妊娠・出産を機に積立預金を始めたり、学資保険への加入を検討する人もいるでしょう。特に「お金が手元にあると使ってしまう」タイプの人は、教育資金を普段使うお金とは別の場所に確保しておく必要があります。 教育資金を確保する方法としては次の3つが主流です。
- ・ 銀行預金をする
・ 投資をする
・ 学資保険に加入する
教育資金を銀行預金で貯めるメリットとデメリット
教育資金を銀行預金で貯めるメリットとデメリット
【メリット】
- ・元本は保証されているので入金したお金が減ることはない
- ・好きなタイミングで引き出すことができる
- 【デメリット】
- ・利率が低いので増やすことは難しい
- ・物価が上がるとお金の価値が下がる
- 金融機関が破綻しないことが前提ですが、昔からあるオーソドックスな貯め方です。出し入れ自由で預けたお金が減ることがないのがメリットですが、現在の利率ではほぼ増えることはなく、その他のメリットも特にありません。将来インフレとなり物価が上がってお金の価値が下がってしまうと、想定していた金額を貯めることができたとしても教育費の値上がりに対応できない可能性があります。
教育資金を投資で貯めるメリットとデメリット
教育資金を投資で貯めるメリットとデメリット
【メリット】
・お金が増える可能性がある
・NISAを活用すれば利益が出ても税金を払わなくてよい場合がある
【デメリット】
・お金が必要なタイミングと価格の下落が重なると元本割れの可能性がある
・投資の銘柄選びには知識が必要
運用益が非課税になるNISAが導入されてから投資に興味を持つ人が増え、今までの「貯める」から「増やす」という考え方に移行した人も多いでしょう。ただし投資は株式や債券の価格の上昇・下落に伴い資産が増えることもあれば減ることもあるため、教育費が必要なタイミングと下落の時期が重なるとマイナスになることもあります。銘柄選びと売買のタイミングがうまくいけば結果的にプラスになりますが、知識がないと難しいかもしれません。
教育資金を学資保険で貯めるメリットとデメリット
教育資金を学資保険で貯めるメリットとデメリット
【メリット】
・契約者に万が一のことがあったときに以後の保険料が免除になる場合がある
・子どもに保障を付けることができる
・所得税・住民税が安くなる場合がある
【デメリット】
・途中で解約をすると積み立てた金額より戻ってくる金額が少なくなる
・物価が上がるとお金の価値が下がる
一般的な学資保険は、進学のタイミングや在学中に満期保険金やお祝い金を受け取ることができます。積立預金や投資と大きく違うところは、契約期間中に契約者が亡くなってしまったり、高度障害などに該当してしまった場合に以後の保険料を支払うことなく当初の予定通りの保険金が受け取れるという点です。また契約者に万が一のことがあった場合に満期までの間、定期的に年金が受け取れる育英年金(養育年金)保障や、子ども本人の入院や手術等に備える医療保障を特約として付ることができる場合もあります。さらに生命保険料控除の対象となるので、他の保険の契約状況によっては税金の負担が軽減されることがある点もメリットです。ただし銀行預金と同様にインフレリスクがある点と、途中解約をすると原則元本割れになる点は理解しておきましょう。
学資保険は返礼率何%以上の商品がお得?
学資保険は返礼率何%以上の商品がお得?
学資保険にもさまざまな種類がありますが、商品を選ぶ際に「返戻率」に注目して選ぶ人は多いのではないでしょうか。
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して受け取れる保険金の割合のことです。この数字が高いほど、支払った金額よりも多く戻ってくることになります(返戻率は学資保険のパンフレットや設計書で確認できます)。返戻率が100%の場合は、支払ったお金がそのまま戻ってくることを意味します。
そのため「返戻率が100%を下回っている保険は損なのでは?」と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。学資保険には原則契約者の死亡や高度障害の場合に以後の保険料を支払わなくても満期保険金やお祝い金を受け取ることができる保障がついており、さらに特約として育英(養育)年金保障や医療保障などを付けた場合は掛け捨ての保険料が含まれることになるからです。特約をつけているのに返戻率が100%なら、積み立てている間はこれらの保障を無料でしてもらっていたことになるので十分お得といえるでしょう。
学資保険のこれらの保障が不要と感じるのであればあえて学資保険を使って教育資金を貯める必要はありません。普通預金にお金を貯めて使わないようにすればその金額は残りますし、お金を増やしたいなら投資で積み立てをしたほうがリターンの期待値ははるかに大きくなります。どうしても保険で積み立てをしたい場合は、可能な限り保障を外した学資保険にしたり、世帯主の年齢によっては死亡保険で支払期間を10~15年と短く設定して契約すると返戻率が高くなる商品もあります。
おすすめの貯め方は状況により様々
おすすめの貯め方は状況により様々
今回は教育資金を貯める3つの方法をご紹介しました。お金の貯め方は収入・貯蓄額・世帯主の年齢などにより様々ですが、どれか一つに絞る必要はありません。予算を3つに分けて全て利用してもいいいでしょうし、2つだけ利用してもいいでしょう。
ただし、学資保険をはじめとした保険での積み立てを検討している人はなるべく早く控えめの金額で始めるのがお勧めです。銀行預金や投資の積み立てはいつ始めていつやめてもいいですし、途中で自由に積立金額を変更することができます。しかし保険は同じ商品でも契約者や被保険者の年齢、契約期間によって返礼率が異なります。一般的に早く始めたほうが得です。また途中で積立金額を変更すると損をしてしまう場合があります。さらに学資保険は保険会社によって契約できる子どもの年齢が決まっており、後になって契約しようと思ってもできないことがあるため注意が必要です。
Mクリニックでは万が一の場合を想定して保険での積み立て自体は推奨するものの、毎月の積立金額の変更などに融通が利かないので予算の多くは充てず、余裕があるときは銀行預金や投資に分散して教育資金を増やす方法をお勧めしています。急にお金が必要になったときにも対応できるよう、バランスよくお金を増やしてみてはいかがでしょうか?