2026.09.14

自分に合った保険の選び方|保険料・保障内容・公的保障・家計から考える

公 開 日:2022年11月25日

最終更新日:2026年9月14日


保険に加入しようとしたときに、「どの保険がおすすめ?」「人気の商品なら安心?」「保険料は安い方がいい?」と、商品から考えたくなるかもしれません。

でも、自分に合った保険を選ぶために最初に考えたいのは、商品ではありません。


まず確認したいのは、自分や家族に何が起きたとき、家計だけでは対応しにくいのかです。


病気になっても十分な貯蓄があり、公的保障も利用できるなら、民間の医療保険をそれほど大きくする必要はないかもしれません。

反対に、自分が亡くなったときに家族の生活費や教育費が大きく不足するなら、その部分は生命保険で備える必要があります。

住宅ローンがある人なら団体信用生命保険、会社員なら傷病手当金や勤務先の保障、自営業者なら働けなくなったときの収入への影響なども考える必要があります。


つまり保険は、単独の商品として選ぶものではありません。

公的保障、貯蓄、住宅ローン、家計、資産形成などを確認したうえで、それでも不足する部分を保険で補うと考えると、自分に必要な保障が見えやすくなります。


この記事では、自分に合った保険を選ぶために、何から確認し、どのように保障内容や商品を比較すればよいのかを順番に整理します。

この記事でわかること

この記事でわかること

  • 自分に合った保険を選ぶときの順番
  • 保険を選ぶ前に確認したい公的保障や貯蓄
  • 生命保険・医療保険などで備える金額の考え方
  • 保険商品を比較するときに見るポイント
  • 保険料が安いだけでは判断できない理由
  • 住宅ローン・教育費・資産形成と保険の関係
  • 保険を見直した方がよいタイミング

自分に合った保険は「商品」から選ばない

自分に合った保険は「商品」から選ばない

保険には、生命保険、医療保険、がん保険、就業不能保険、介護保険、火災保険、自動車保険など、さまざまな種類があります。

さらに、同じ種類の保険でも多くの商品があります。

そのため、最初から商品比較を始めると、「何が違うのか分からない」という状態になりやすくなります。

先に決めたいのは商品ではなく、


  • 何に備えたいのか
  • その出来事が起きると、家計はいくら不足するのか
  • 何年間備える必要があるのか
  • そのうち保険で備える必要があるのはいくらか

です。

ここまで整理してから、それに合う商品を探します。


「良い商品を探す」のではなく、「必要な保障を先に決め、その条件を満たす商品を探す」という順番です。

まず「何が起きたら家計が困るか」を考える

まず「何が起きたら家計が困るか」を考える

保険で備えたいのは、起きたら嫌なことすべてではありません。

実際に起きたとき、家計への影響が大きく、自分の貯蓄だけでは対応しにくいものから考えます。

死亡した場合

自分が亡くなったあと、家族の生活費や教育費が不足するのであれば、死亡保障を考えます。

一方、独身で扶養している家族がいない、十分な金融資産がある、といった場合には、大きな死亡保障が必要とは限りません。

病気やけがをした場合

医療費だけではなく、治療中に収入が減るかどうかも確認します。

会社員と自営業者では利用できる保障が違いますし、貯蓄額によっても必要な備えは変わります。

働けなくなった場合

長期間働けなくなったときに、収入がどのくらい減り、毎月の生活費をどう払うかを考えます。

住宅ローン、教育費、事業の固定費などが大きい家庭では、医療費そのものより収入減少の方が家計への影響が大きいこともあります。

住宅・自動車・賠償事故の場合

火災や自然災害、自動車事故、他人への賠償などは、一度の事故で大きな金額になることがあります。

こうした、自分の貯蓄だけでは対応しにくい損害を保険で備えるという考え方も重要です。

保険を選ぶ前に、公的保障・勤務先の保障・貯蓄を確認する

保険を選ぶ前に、公的保障・勤務先の保障・貯蓄を確認する

「病気になったら○○万円必要」「死亡したら○○万円必要」と考え、その全額を民間保険で準備する必要はありません。

先に、すでに利用できる制度等を確認します。


  • 公的医療保険
  • 高額療養費制度
  • 傷病手当金
  • 障害年金
  • 遺族年金
  • 勤務先の休業補償や死亡退職金
  • 住宅ローンの団体信用生命保険
  • 現在の預貯金・金融資産

などです。

金融庁も、民間保険は公的保険を補完する面があるため、公的保険の保障内容を理解したうえで、必要に応じて加入することが重要と案内しています。


たとえば、病気で100万円必要になる可能性があったとしても、公的保障や貯蓄で十分対応できるのであれば、その100万円すべてを保険で準備する必要はありません。

反対に、公的保障や貯蓄だけでは生活を維持できない部分があれば、そこを民間保険で補います。


保険を選ぶ前に「すでに何で備えられているか」を確認する。

これだけでも、必要以上に保険へ入りすぎることを防ぎやすくなります。


参考:
金融庁|公的保険について ~民間保険加入の検討にあたって~

不足する金額と期間を保険で備える

不足する金額と期間を保険で備える

公的保障、勤務先の保障、貯蓄などを確認したら、それでも不足する金額を考えます。

死亡保障なら家族の生活から考える

死亡保障を考えるなら、


  • 残された家族の生活費
  • 子どもの教育費
  • 配偶者の収入
  • 現在の貯蓄
  • 遺族年金
  • 死亡退職金など勤務先の保障
  • 住宅ローンと団体信用生命保険

などを確認します。

子どもが成長すれば必要な教育費の残額は減り、資産形成が進めば必要な死亡保障も変わることがあります。

加入時の必要保障額が、一生同じとは限りません。

医療保障なら「いくら払えるか」も考える

医療保険では、入院日額をいくらにするかだけを考えるのではありません。

公的医療保険や高額療養費制度を利用したうえで、食事代、差額ベッド代、交通費、収入減少など、実際に家計から支払う可能性がある部分を考えます。

十分な預貯金を持っている人と、まだ貯蓄が少ない人では、保険で備えたい範囲も違います。

必要な期間も考える

保障額だけでなく、「いつまで必要なのか」も大切です。

子どもが独立するまで大きな死亡保障が必要な家庭もあれば、長期間の保障を必要としない家庭もあります。

必要な金額と必要な期間を決めてから保険を選ぶと、商品比較もしやすくなります。

保険商品を比較するときに確認したいこと

保険商品を比較するときに確認したいこと

必要な保障が決まったら、初めて商品を比較します。

保険を比較するときは、保険料と保障額だけでは十分ではありません。


  • 何が起きたら保険金・給付金が支払われるか
  • 対象になる病気や状態はどこまでか
  • 1回だけか、複数回受け取れるか
  • 支払いの間隔や回数に条件があるか
  • 保障されない期間や条件があるか
  • 保障は何歳まで続くか
  • 更新時に保険料が変わるか
  • 途中で保障を減らしたり特約を外したりできるか

同じ「がん保障」「三大疾病保障」「就業不能保障」と書かれていても、実際の支払い条件は商品によって違います。

商品の名前だけではなく、「自分が想定している状態になったとき、本当に支払われるのか」を確認しましょう。


すでに保険へ加入していて、現在の保障内容を詳しく比較したい場合は、見直しの記事で約款や支払い条件の確認方法を詳しく解説しています。


関連記事:
保険の見直しは保険料だけで判断しない|約款・保障内容・家計のバランスを確認

「保険料が安い」「人気がある」だけでは選ばない

「保険料が安い」「人気がある」だけでは選ばない

保険料が安いことはメリットです。

同じような保障を持てるのであれば、負担が少ない方が家計には有利です。

ただし、安い理由が、


  • 保障される範囲が狭い
  • 給付条件が違う
  • 保障期間が短い
  • 将来保険料が上がる
  • 保障額が少ない

ためであれば、単純には比較できません。

同じように、口コミやランキングで人気の商品が自分にも必要とは限りません。

家族構成、収入、貯蓄、働き方、住宅ローン、将来の予定が違えば、必要な保険も違います。


保険料や人気を見る前に、自分に必要な保障を満たしているかを確認する。

そのうえで、保険料や使いやすさを比較します。

保険だけを手厚くしすぎない

保険だけを手厚くしすぎない

保険を選んでいると、「これも心配」「あれも保障したい」と保障を増やしたくなることがあります。

しかし、保険料も家計から支払うお金です。

保険を手厚くした結果、


  • 毎月貯蓄できない
  • 教育費を準備できない
  • 住宅購入後の家計が苦しくなる
  • NISAなどの資産形成に回すお金がなくなる
  • 老後資金を準備できない

のであれば、家計全体で見たときに別の問題が生まれます。

すべてのリスクを最大限に保険で備える必要はありません。

小さな支出は貯蓄で対応し、自分では負担しにくい大きなリスクを保険へ移すという考え方もできます。

住宅ローンがあるなら団信も確認する

住宅ローンを組んでいる場合、団体信用生命保険によって死亡時の住宅ローン残高がなくなることがあります。

その場合、住宅ローン返済分まで生命保険で重複して準備する必要がないこともあります。

一方、住宅ローンがなくなっても、生活費、教育費、固定資産税、修繕費などは残ります。


関連記事:
住宅ローンを組むと保険はどう変わる?団信と生命保険の見直し方

資産形成が進めば必要な保険が変わることもある

貯蓄や金融資産が増えていけば、自分で対応できる金額も増えていきます。

その結果、以前は保険で備える必要があった部分を、自分の資産で対応できるようになることもあります。

保険と貯蓄・資産形成を別々に考えず、家計全体の中で役割を分けることが大切です。

保険は何年ごとではなく、生活が変わったときに確認する

保険は何年ごとではなく、生活が変わったときに確認する

保険は「○年に1回見直せばよい」と決まっているものではありません。

加入したときと家計や生活の状況が変われば、必要な保障も変わる可能性があります。

たとえば、


  • 結婚した
  • 子どもが生まれた
  • 子どもが独立した
  • 住宅を購入して団信に加入した
  • 転職・独立した
  • 収入が大きく変わった
  • 貯蓄や金融資産が増えた
  • 退職した
  • 保険の更新時期になった

といったときです。

反対に、家族構成や家計、必要な保障に大きな変化がなければ、一定期間が経ったという理由だけで保険を変更する必要はありません。


一方で、保険会社から新しい商品が発売されたり、これまでの商品より保障内容が良くなったりしたときは、一度見積もりを取って現在の契約と比較してみてもよいでしょう。

新しい保険の方が保険料が高くても、現在の保険にはない保障や、自分が必要としていた保障が追加されているのであれば、保険料の差を確認したうえで見直す選択肢があります。

反対に、現在と同じような保障内容でも、保険料が安くなることもあります。

その場合も、保険料だけで判断するのではなく、


  • 保障される範囲
  • 保険金・給付金が支払われる条件
  • 保障期間
  • 更新後の保険料
  • 特約の内容

などを現在の契約と比べます。


また、新しい保険へ入り直す場合は、その時点の年齢や健康状態で改めて申し込むことになります。

そのため、現在の保険を先に解約するのではなく、新しい保険の契約が成立し、内容を確認してから切り替えることも大切です。

見直しの目的は、ただ保険料を安くすることではありません。

今の保障と保険料が、現在の自分や家族に合っているかを確認し、より合うものがあれば変更することです。

保険を選ぶ前のチェックリスト

保険を選ぶ前のチェックリスト

保険へ加入する前に、次のことを確認してみましょう。


  • 何が起きたときに一番家計が困るか
  • 公的保障でどこまで対応できるか
  • 勤務先の保障はあるか
  • 現在の貯蓄・金融資産でいくらまで対応できるか
  • 住宅ローンの団信はどこまで保障されるか
  • 保険で不足分をいくら準備する必要があるか
  • その保障はいつまで必要か
  • 保険金・給付金が支払われる条件を確認したか
  • 毎月の保険料を払っても貯蓄や資産形成を続けられるか
  • ほかの保険と保障が重複していないか

すべて確認したうえで初めて、どの保険商品が自分に合っているかを比較できます。

Mクリニックで相談できること

Mクリニックで相談できること

Mクリニックは札幌を拠点に、家計、保険、住宅ローン、教育費、老後資金、資産運用など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。

保険についても、最初から特定の商品を選ぶのではなく、まず現在の家計と必要な保障を整理します。

たとえば、


  • そもそも自分にどの保険が必要なのか分からない
  • 死亡保障はいくら必要なのか確認したい
  • 医療保険やがん保険をどこまで持つか考えたい
  • 公的保障を含めて必要な保険を整理したい
  • 住宅ローンの団信と生命保険が重複していないか確認したい
  • 保険料を払いながら教育費や資産形成も続けたい
  • 現在加入している保険の保障内容を確認したい

といった相談ができます。

保険だけを見るのではなく、貯蓄、住宅ローン、教育費、資産形成なども確認しながら、どこまで保険で備える必要があるかを整理します。

札幌を拠点にしていますが、全国を対象にオンラインでの相談にも対応しています。

まとめ|自分に合った保険は「必要な保障」から選ぶ

まとめ|自分に合った保険は「必要な保障」から選ぶ

自分に合った保険を選ぶために、最初から商品ランキングや保険料を比較する必要はありません。

まず、


  • 何が起きたら家計が困るのか
  • 公的保障や勤務先の保障でどこまで対応できるのか
  • 貯蓄や金融資産でいくら負担できるのか
  • それでも不足する金額はいくらなのか
  • その保障がいつまで必要なのか

を確認します。

その不足分を補える商品を探し、支払い条件、保障範囲、保険期間、保険料などを比較します。

保険を手厚くしすぎて、教育費や住宅、貯蓄、資産形成に使うお金が不足するのも本来の目的とは違います。


保険で備えるところ、自分の資産で備えるところ、公的保障に任せるところを分ける。


そのうえで、今の自分と家族に必要な保障を選ぶことが、自分に合った保険を見つける基本です。



2022年11月25日 執筆

2026年9月14日 更新

この記事を書いた人

小川 和哉 | ファイナンシャルプランナー

資産運用、保険、住宅ローンなど幅広い分野に精通し、個人の家計相談に加え、個人事業主や副業を行う方への記帳指導・経理支援にも力を入れており、実務に直結する実践的なアドバイスを提供。ライフスタイルに応じたオーダーメイド設計と、将来を見据えた長期的なサポートを重視し、目先の利益にとらわれない提案が好評。
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