40代の資産形成|現金はいくら残す?教育費・住宅ローンと投資の考え方
公 開 日:2025年07月13日
最終更新日:2026年9月18日
40代は、収入が増える一方で、教育費、住宅ローン、住宅の修繕、車の買い替えなど、大きな支出も増えやすい時期です。
そのため、「これから使うかもしれないから」と、必要以上に現金を残している家庭も少なくありません。
もちろん、近いうちに使うお金や、急な支出に備える現金は必要です。
ただし、長期間使う予定のないお金まで預金に置き続ける必要はありません。
40代は、老後までまだ長い運用期間を取ることができます。
Mクリニックでは、必要な現金を確保できているのであれば、それ以外の資金は基本的に資産運用の対象としてよいと考えています。
その結果、金融資産の8割、9割が運用資産になることもあります。
重要なのは、投資している割合ではありません。
そのお金をいつ使うのか、どの程度のリスクを取っているのかです。
この記事では、40代の資産形成について、教育費や住宅ローンなどの支出と両立しながら、どこまで現金を残し、どこから運用へ回せばよいのかを整理します。
この記事でわかること
この記事でわかること
- 40代で現金をどのくらい残せばよいか
- 資産の8割・9割を運用してもよい考え方
- リスク資産=ハイリスクではない理由
- 教育費や住宅修繕費と投資をどう両立するか
- 住宅ローンの繰上返済と投資をどう比較するか
- NISAとiDeCoを40代でどう使い分けるか
- 40代から投資を始めても遅くない理由
- 使う時期が近づいた資産をどう管理するか
40代はまだ資産形成の中心時期
40代はまだ資産形成の中心時期
40代は、これまでより収入が増え、まとまった金額を運用へ回しやすくなる人も多い時期です。
40歳から60歳までは20年あります。
さらに、老後資金は60歳や65歳になった日にすべて使うわけではありません。
その後も10年、20年と運用しながら少しずつ使っていくことができます。
つまり、40代にはまだ長い運用期間があります。
一方で、この時期は、
- 子どもの教育費
- 住宅ローン
- 住宅の修繕
- 車の買い替え
- 親に関する支出
なども増えてきます。
そのため、「これからお金がかかるから」と、資産運用を減らして現金を増やしすぎることがあります。
40代の資産形成で大切なのは、投資を減らすことではなく、使うお金と使わないお金をきちんと分けることです。
まず現金で残しておくお金を決める
まず現金で残しておくお金を決める
「資産の何%を投資すればよいか」と考える前に、現金として残しておく必要がある金額を確認します。
たとえば、
- 普段の生活に必要なお金
- 収入が一時的に減ったときに使うお金
- 近いうちに支払う教育費
- 予定している住宅修繕
- 近いうちに購入する車
- 数年以内に使うことが決まっているお金
などです。
こうした資金は、必要なときにすぐ使えるよう普通預金で確保しておきます。
すぐ使えるように定期預金はしません。
必要な金額は家庭によって違います。
収入の安定性、毎月の生活費、家族構成、数年以内の予定などを見ながら決めます。
一方で、
「何となく不安だから」という理由だけで、使う予定のないお金まで現金で残しておく必要はありません。
現金として必要な金額を確保したあとに残る資金は、基本的に資産運用の対象として考えます。
預金で持っていることにもリスクがある
預金は残高が大きく変わらないため、安心して見えます。
ただし、物価が上がれば、同じ100万円でも買えるものは少なくなります。
長期間使う予定のないお金をずっと預金に置いておけば、実際に使える価値が下がっていくこともあります。
そのため、現金で持つことと投資することのどちらか一方を安全と考えるのではなく、いつ使うお金なのかによって置き場所を決めることが大切です。
資産の8割・9割を運用しても大丈夫?
資産の8割・9割を運用しても大丈夫?
金融資産の8割、9割を運用していると聞くと、かなり大きなリスクを取っているように感じるかもしれません。
しかし、投資している割合だけでは判断できません。
たとえば、金融資産が2,000万円あり、当面必要な現金として200万円を確保し、残り1,800万円を運用しているとします。
生活費や近い将来の支出を200万円で十分に対応でき、1,800万円を長期間使う予定がないのであれば、運用割合が90%だからという理由だけで問題があるとは言えません。
さらに、運用する1,800万円すべてで大きなリスクを取る必要もありません。
たとえば、1,000万円はある程度の値動きを受け入れて利益を期待する商品で運用し、残り800万円は個人向け国債など、値動きを抑えた資産で運用する方法もあります。
個人向け国債は、発行から1年経過すれば国による中途換金が可能で、元本割れのリスクはありません。※
そのため、預金以外にも、必要になったときに使いやすく、値下がりリスクを抑えながら運用できる選択肢があります。
反対に、金融資産が500万円あっても、2年後に住宅購入などで400万円を使う予定なら、その大部分を値動きのある資産で運用するのは合いません。
見るべきなのは、
- 現金としていくら必要か
- 運用しているお金をいつ使うのか
- 運用資産の中でどの程度の値動きを取っているか
です。
「現金10%・投資90%にする」のがおすすめなのではありません。
必要な現金を先に決め、それ以外を運用した結果として、運用資産が8割、9割になることがあってもよいということです。
そして、運用するお金のすべてで同じリスクを取る必要もありません。
運用する金額と、運用資産の中でどの程度のリスクを取るかは、分けて考えることが大切です。
※ 個人向け国債は原則として発行後1年間は中途換金できません。1年経過後は額面金額で中途換金できますが、直前2回分の各利子相当額が中途換金調整額として差し引かれます。
参考:
財務省|個人向け国債
リスク資産=ハイリスク商品ではない
リスク資産=ハイリスク商品ではない
投資する金額が大きいからといって、すべてのお金で大きなリスクを取る必要はありません。
資産運用には、
- 国内外の株式
- 国内外の債券
- 株式と債券を組み合わせた投資信託
- 複数の地域や資産へ分散する投資信託
- REITなどの不動産関連資産
など、さまざまな選択肢があります。
値動きの大きいものもあれば、比較的値動きを抑えながら運用するものもあります。
同じ1,000万円を運用していても、一つの個別株へ集中する場合と、株式や債券などへ分散する場合では、取っているリスクは大きく違います。
金融庁も、値動きの異なる複数の資産へ分散することで、特定のリスクから受ける影響を抑えることができると説明しています。
つまり、投資する金額を減らすことだけがリスク管理ではありません。
運用する資金が多くても、投資先や資産配分によってリスクを調整することができます。
教育費や住宅修繕費も「使う時期」で分ける
教育費や住宅修繕費も「使う時期」で分ける
40代では、子どもの教育費や住宅の修繕費など、大きな支出が近づいてくる家庭もあります。
ただ、「将来必要になるお金だから」という理由で、必要な金額をすべて今すぐ現金へ移す必要はありません。
たとえば10年後に使う予定のお金であれば、それまでの期間は運用することができます。
そして、使う時期が近づいてきた分から順番に現金へ移します。
たとえば教育費なら、
- 来年使うお金
- 3年後に使うお金
- 8年後に使うお金
を同じように扱う必要はありません。
来年必要なお金は現金で準備し、まだ長期間使わない部分は運用を続けるという考え方ができます。
住宅の修繕費も同じです。
来年給湯器を交換する予定なら現金が必要ですが、10年以上先の外壁修繕費まで今から全額預金にしておく必要はありません。
「将来使うお金」と「今から現金で持つお金」は同じではありません。
住宅ローンを急いで返すより運用した方がよいこともある
住宅ローンを急いで返すより運用した方がよいこともある
40代では住宅ローンを返済している家庭も多いと思います。
まとまったお金ができると、繰上返済を考えることがあります。
繰上返済をすれば、その分の住宅ローン利息は確実に減ります。
ただし、繰上返済に使ったお金を運用する機会はなくなります。
長期間運用できるのであれば、資産運用による利益が、繰上返済によって減らせる利息を上回ることもあります。
また、住宅ローンへ入れたお金は、教育費や収入減少などで必要になっても簡単には戻せません。
そのため、
- 残りの返済期間
- 運用できる期間
- 必要な手元資金
- 今後の教育費などの支出
を一緒に見て判断します。
「借金だから早く返す」ではなく、「繰上返済と資産運用のどちらが家計全体に合うか」を比較します。
十分返済できる住宅ローンであれば、あえて返済期間を長くし、毎月の返済額を抑えて、その差額を資産運用へ回す方法もあります。
関連記事:
住宅購入の資金計画に無理はない?住宅ローンの返済期間・頭金・資産運用の考え方
NISAとiDeCoは同じように考えない
NISAとiDeCoは同じように考えない
40代で資産形成をするなら、税制優遇制度も活用したいところです。
ただし、NISAとiDeCoでは、お金を使える時期が違います。
NISA
NISAは運用益が非課税となり、必要になればいつでも売却することができます。
老後資金だけではなく、教育費や住宅関連費用など、将来使う可能性がある資金も管理しやすい制度です。
iDeCo
iDeCoには掛金が所得控除になるメリットがあります。
一方、老齢給付金は原則60歳から受け取る制度のため、それまで自由に使えるお金ではありません。
40代では、教育費、住宅関連費用、車など、60歳より前に大きなお金を使うことがあります。
そのため、節税だけを理由にiDeCoへ多く入れるのではなく、60歳まで確実に使わない老後資金として確保できる金額だけで利用します。
60歳前にも使う可能性があるお金については、途中で売却できるNISAの方を優先して利用するのがお勧めです。
40代から投資を始めても遅くない
40代から投資を始めても遅くない
40代までほとんど資産運用をしてこなかった場合でも、これから始めることはできます。
40代には、まだ10年、20年、それ以上運用できる可能性があります。
大切なのは、「今まで投資していなかったから」と焦って大きな利益を狙うことではありません。
まず、
- 現金で残しておく金額を決める
- 長期間使う予定のない資金を確認する
- 毎月運用できる金額を決める
- 投資先を分散する
- 長期間続ける
という基本から始めます。
これまで預金だけだった人の場合、最初からすべてを一度に投資しなくても構いません。
自分が値動きに慣れるまで、何回かに分けて運用へ移す方法もあります。
40代だから遅いのではなく、これから使える時間をどう使うかが重要です。
使う時期が近づいたお金は現金へ移す
使う時期が近づいたお金は現金へ移す
運用しているお金を、ずっと同じ状態で持ち続ける必要はありません。
使う時期が近づいた資金は、必要なときに相場が下落していても困らないよう、順番に現金へ移していきます。
たとえば、
- 来年必要になる大学の学費
- 近いうちに予定している住宅修繕
- 数年後に予定している車の購入
などです。
一方、10年、20年先まで使わない資金まで同時に現金へ移す必要はありません。
老後資金についても、退職した日にすべて現金化する必要はなく、その後使う時期に合わせて運用を続けることができます。
資産形成では「何を買うか」だけではなく、「いつ使うか」「いつ現金へ戻すか」まで考えることが大切です。
40代の資産形成チェックリスト
40代の資産形成チェックリスト
40代で資産形成を考えるときは、次の順番で確認してみてください。
- 普段の生活に必要な現金はいくらか
- 数年以内に使う予定のお金はいくらか
- それ以上に現金を持ちすぎていないか
- 長期間使わない預金を運用へ回せないか
- 運用資産の中でリスクを取りすぎていないか
- 反対に、必要以上に値動きを避けていないか
- 教育費を必要以上に早く現金化していないか
- 住宅ローンの繰上返済と資産運用を比較したか
- NISAを活用できているか
- iDeCoに入れるお金を60歳まで使わなくても問題ないか
- 使う時期が近づいた資金を順番に現金化できるようにしているか
最初から「現金○%、投資○%」と決める必要はありません。
必要な現金を決め、それ以外のお金をどう運用するか考える。
この順番で考えれば、資産の8割、9割が運用資産になる家庭があっても不思議ではありません。
Mクリニックで相談できること
Mクリニックで相談できること
Mクリニックは札幌を拠点に、家計、保険、住宅ローン、教育費、老後資金、資産運用など、暮らしと将来に関わるお金を横断して相談できるFP相談窓口です。
40代の資産形成では、投資だけを見るのではなく、これから使う予定のお金と家計全体を確認します。
たとえば、
- 預金をどのくらい残せばよいか知りたい
- 現金を持ちすぎていないか確認したい
- 資産の8割・9割を運用しても問題ないか考えたい
- 教育費を準備しながら投資を続けたい
- 住宅ローンを繰上返済するか運用するか比較したい
- NISAとiDeCoをどう使い分けるか整理したい
- 現在の運用内容でリスクを取りすぎていないか確認したい
- 使う予定のお金をいつ現金へ移すか考えたい
といった相談ができます。
現金、投資、住宅ローン、教育費、保険を別々に考えるのではなく、家計全体を見ながら、どこまで現金で持ち、どこから運用するかを整理します。
札幌を拠点にしていますが、全国を対象にオンラインでの相談にも対応しています。
まとめ|40代は、必要以上に現金を持たない
まとめ|40代は、必要以上に現金を持たない
40代は、教育費や住宅費など大きな支出が増えやすい時期です。
そのため、近いうちに使うお金や、急な支出に対応する現金は確保しておく必要があります。
一方で、長期間使う予定のないお金まで現金で持ち続ける必要はありません。
まず、
- 普段の生活に必要なお金
- 数年以内に使うことが決まっているお金
を現金で残します。
そして、それ以外の資金は基本的に資産運用の対象として考えます。
その結果、金融資産の8割、9割が運用資産になることもあります。
大切なのは、運用している割合ではありません。
いつ使うお金なのか、どの程度の値動きを取っているのか、必要になったときに現金を確保できるのか。
そこが管理できていることの方が重要です。
40代はまだ資産形成の途中です。
必要な現金を確保したうえで、これから使える時間を資産形成に生かしていきましょう。
2025年7月13日 執筆
2026年9月18日 更新
